軽量化・最適化

テクスチャの解像度と枚数を減らす|見た目を保つ削り方

目次

軽量化を始めるなら、最初に触るべきはテクスチャです。作業量が小さいわりに効果が出やすく、しかも見た目への影響を自分でコントロールできます。形を削る作業と違って、やりすぎたときに戻すのも簡単です。

判断の材料は2つだけです。その画像が画面上でどれくらいの面積を占めるか、そしてどれくらいの距離から見られるか。この2つで、下げてよい場所と守るべき場所が分かれます。

テクスチャという言葉は「モデルの表面に貼られている画像」を指します。服の柄も、肌の色味も、瞳の模様も、すべてこの画像で表現されています。平面に展開された型紙のようなものだと思ってください。

テクスチャが重さに効く理由

なぜここから始めるのかを先に押さえておくと、作業の判断が速くなります。テクスチャは2つの意味で負荷になっています。

大きな画像は置き場所を占有し続ける

貼られている画像は、表示されている間ずっとメモリ上に展開されています。画面に小さくしか映っていなくても、用意されている量は変わりません。

解像度は縦横の掛け算で効いてくるため、一段階上げると必要な量は一気に増えます。逆に言えば、一段階下げるだけで大きく減るということです。この効き方が、テクスチャを最初に触る理由です。

枚数は描く準備の手間に効く

画像の枚数が多いと、描画のたびに切り替える回数が増えます。これは解像度とは別の負荷で、マテリアル(表面の設定のまとまり)の数とも連動します。

つまりテクスチャには「1枚あたりの大きさ」と「枚数」という2つの軸があります。片方だけ直しても、もう片方が原因なら効きません。両方を見てください。

見た目への影響が読みやすい

ポリゴンを削る作業は、動かしてみるまで崩れが分かりません。テクスチャは違います。下げた画像を貼って、いつもの距離から見れば、その場で判断できます。

判断が速いということは、試行錯誤の回数を増やせるということです。迷ったら下げてみて、気に入らなければ戻す。この気軽さがテクスチャ作業の利点です。

1種類だけではないことに注意する

1つのパーツに貼られている画像は、色を決めるものだけとは限りません。陰影の付き方を指定するもの、光り方を指定するもの、凹凸を表現するものなど、役割の違う画像が重なっていることがあります。

色の画像だけを下げても、他が残っていれば量はあまり減りません。逆に、色以外の補助的な画像は下げても気づかれにくいので、狙い目でもあります。まず何枚使われているかを数えるところから始めてください。

ここがポイント

テクスチャは「1枚あたりの大きさ」と「合計の枚数」の2軸で見ます。どちらが膨らんでいるかで、やるべき作業が変わります。

解像度を下げる優先順位

全部を一律に下げるのは乱暴です。必要な解像度は場所ごとに違うので、そこに合わせて配分し直すのが正しいやり方になります。

「映る面積」と「見られる距離」で決める

判断の材料は2つだけです。画面上でどれくらいの面積を占めるか、そしてどれくらいの距離から見られるか。この2つが小さいほど、解像度は下げて構いません。

顔は面積が小さいのに、いちばん近くで見られます。だから高い解像度が必要です。逆にスカートの裏地は面積が大きくても、寄って見られることはほとんどありません。面積の大小だけで決めないでください。

下げても気づかれにくい場所

靴底、髪の内側、服に完全に隠れる素体の部分、装飾の裏面。このあたりは大きく下げても問題が出ません。存在に気づかれていない場所は、品質を保つ意味がないからです。

広い面が単色に近い部分も候補になります。無地の布や、グラデーションだけの背景的な部分は、解像度を落としても情報が失われません。柄の有無で判断すると分かりやすくなります。

下げてはいけない場所

顔、特に目のまわり。細かい線で描かれた模様。文字やロゴが入っている部分。ここを下げると、輪郭がぼやけて「安っぽい」印象が一気に出ます。

軽量化の目的は、見た目を保ったまま軽くすることです。ここを削って稼いだ数字には意味がありません。他で稼げないか先に探してください。

判断に迷ったら、自分がそのアバターで撮った写真を見返してみてください。よく写している部分が、あなたにとって下げてはいけない場所です。人によって答えが違って構いません。

自分の遊び方で基準は変わる

雑談が中心で、相手との距離が一定より縮まらないなら、基準はゆるくて構いません。細部が見られる場面がそもそも少ないからです。

一方、寄りの写真をよく撮るなら、顔まわりと衣装の見せ場は維持したくなります。その場合は、他の場所を大きく下げて帳尻を合わせる方針になります。全体を均等に下げるより、めりはりを付けたほうが満足度は高くなります。

← 横にスクロールできます →

場所映る面積見られる距離下げてよいか
顔・目のまわり小さい近い×
髪の表面大きい中くらい◯
服の柄がある面大きい中くらい◯
靴底・服の下の素体小さい遠い◎

※アバターの作りと自分の遊び方で判断は変わります。撮影が多い人は基準を厳しめに。

圧縮形式という、もう一つの軸

解像度を変えずに軽くする方法もあります。画像の保存のしかたを変えるやり方です。

圧縮は情報の間引き方を決める設定

同じ解像度でも、どう圧縮するかで必要な量は変わります。強く圧縮すれば軽くなり、そのぶん細部の情報が落ちます。ここも場所ごとに使い分けるのが基本です。

圧縮の設定は制作環境側で指定します。画像ファイル自体を作り直さなくても切り替えられるので、試すコストは低めです。まず設定を変えて、見た目を確認してみてください。

透明部分があるかどうかで選び方が変わる

髪の毛先や、レースのように透ける部分には、透明度の情報が入っています。この情報が必要な画像と、不要な画像では、適した圧縮の種類が違います。

透明が不要な画像に、透明を扱える形式を使い続けているケースはよくあります。ここを見直すだけで減ることがあるので、一度確認する価値があります。

また、透明の扱いは重さだけでなく、描画の順番にも影響します。透ける部分が多いアバターは、それ自体が負荷になりやすいと覚えておいてください。必要のない場所で透明を使っていないかを見直すと、思わぬ改善につながることがあります。

作り直しは元ファイルから行う

一度圧縮した画像をまた開いて保存し直すと、劣化が積み重なります。調整のたびに元の画像へ戻り、そこから作り直してください。

編集ソフトの選び方や、触ってよい場所についてはテクスチャ編集の基本を扱った記事にまとめています。編集自体が初めてなら、先にそちらを読むと安全です。

枚数をまとめるという発想

解像度を下げきったあと、まだ余地があるとしたらここです。手間はかかりますが、効き方が違います。

複数の画像を1枚に集約する

小物ごと、パーツごとに画像が分かれている場合、1枚の大きな画像にまとめられることがあります。合計の面積が同じでも、切り替えの回数が減るぶん有利になります。

この作業は、モデル側の展開情報も合わせて編集する必要があります。手作業でやると大変なので、自動化ツールに任せる領域だと考えてください。

まとめないほうがいい場合

あとから衣装を差し替える予定があるなら、まとめないほうが扱いやすいこともあります。1枚に統合すると、部分的な差し替えが難しくなるからです。

改変がひと段落して、この構成で使い続けると決めてから統合する。この順番なら、やり直しの手間を抱え込まずに済みます。

統合前の状態は必ず残しておいてください。あとから衣装を替えたくなったとき、統合前のデータがあれば作業をやり直せます。無ければ、着せ替えのたびに統合し直すことになります。

使われていない画像が残っていないか

改変を重ねると、差し替えたあとの古い画像がプロジェクト内に残ります。どのパーツからも参照されていない画像は、外しても見た目に影響しません。

これは見た目を一切変えずに整理できる、いちばん得な作業です。テクスチャの作業に入る前に、まずここを片付けておくと、下げる必要のある画像がぐっと減ることがあります。

下げすぎの見分け方

削る作業には必ず行き過ぎが起きます。判断の基準を決めておけば、戻すべき場所がはっきりします。

普段の距離で確認する

画面いっぱいに顔を寄せれば、下げた画像は当然粗く見えます。ただ、その距離で見られることは実際にはほとんどありません。

確認は、会話しているときの距離から行ってください。その距離で違和感がなければ合格です。撮影で寄ることがある部分だけ、別の基準で見ます。

先に崩れるのは細い線と文字

解像度を落としたとき、最初に破綻するのは細い線です。まつげ、刺繍、細かい柄。輪郭がにじんで、境目が曖昧になります。

下げた画像を確認するときは、まずこうした細い部分を見てください。ここが持ちこたえているなら、他の部分はまず問題ありません。

光の当たり方でも見え方は変わる

明るい場所では粗さが目立ち、暗い場所では気になりません。1か所だけで確認して合格にすると、別の場所で違和感が出ることがあります。

明るいところと暗いところ、それぞれで一度ずつ見ておくと安心です。撮影をよくするなら、いつも使っている光の条件で確認してください。

注意

下げた画像で元のファイルを上書きしないでください。解像度を落とした画像から、元の細部を取り戻すことはできません。差し替え用は別フォルダに分けて保存します。

初心者さん

下げたら粗くなった気がして、結局元に戻してしまいます。


編集部

比較すると必ず粗く見えます。比べずに、下げた状態だけを普段の距離で見てください。それで違和感がなければ十分です。

作業の進め方

実際の手順に落とすと、次の流れになります。順番を守るほど、戻す作業が減ります。


元データを複製する

作業用のプロジェクトを別に用意します。元の画像ファイルは触らず、必ず残しておきます。


使われている画像を一覧にする

どのパーツにどの画像が使われているかを把握します。一覧にすると、下げる候補が自然に見えてきます。


見えない場所から下げる

靴底や服の下など、影響ゼロの場所から始めます。ここで効果が足りるなら、それ以上は不要です。


効果を測る

1回下げるごとに状態を確認します。どの画像がどれだけ効いたかを記録しておくと次回が楽です。


普段の距離で見た目を確認する

動かしながら、会話する距離から確認します。細い線が破綻していないかを重点的に見ます。


行き過ぎた場所だけ戻す

全部戻さず、問題が出た画像だけ差し替えます。作業単位を小さくしておくと、この作業が楽になります。


よくある質問

見えます。テクスチャはアバターのデータに含まれているので、下げた状態が相手にも届きます。ただし、相手の環境や設定によっては、もともと表示品質が落とされていることもあります。つまり、こちらが高解像度を維持していても、そのまま見られているとは限りません。人が多い場所ほどこの傾向は強くなります。自分の見え方だけで判断せず、実際に会う距離で確認するのが現実的です。


一律の目安はありません。必要な解像度は、その画像が画面上でどれくらいの面積を占め、どれくらいの距離から見られるかで変わるからです。また、サービスや端末ごとに扱える上限も違います。自分が使う環境の制限は、運営が公開している一覧で確認してください。作業としては、一段階下げて普段の距離で見る、問題なければもう一段階、という進め方が確実です。数値ではなく見た目で止める位置を決めます。


必要です。むしろ、そちらのほうが制限は厳しくなります。PC向けで通っていた構成が、そのままでは扱えないことが普通にあります。作業としては同じ考え方で進められますが、削る幅は大きくなると考えてください。別データとして用意する前提で作業計画を立てると混乱しません。

まとめ

  • テクスチャは「1枚あたりの大きさ」と「合計の枚数」の2軸で見る
  • 下げる優先順位は、映る面積と見られる距離で決める
  • 顔・目のまわり・細い線・文字は下げない。靴底や隠れる部分から下げる
  • 解像度とは別に、圧縮形式でも軽くできる。透明が必要かで選び分ける
  • 確認は比較せず、普段の会話の距離で行う
  • 上限は端末とサービスで変わるため、公式の一覧で自分の環境の値を確認する

テクスチャで稼ぎきったら、効果の大きい順に手を付ける全体ガイドに戻って次の工程へ進んでください。スタンドアロン機やスマホで使う予定があるなら、モバイル向けに用意するときの手順もあわせて確認しておくと二度手間になりません。

※扱える解像度や圧縮形式はサービスと端末で変わります。作業前に公式の案内を確認してください。

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