アバターを作る

作ったアバターを各サービスで使えるようにする|書き出しから持ち込みまで

目次

アバターは作り終えた瞬間がゴールではありません。実際に使う場所へ持ち込んで、思ったとおりに動いて初めて完成です。そしてこの持ち込みの工程で、作業の半分近くの時間を使うことがあります。

詰まる場所はだいたい決まっています。書き出す形式の選び方、持ち込み先ごとの前提の違い、そして「アップロードはできたのに何かが反映されない」という状態です。順番に潰していけば、どれも解ける問題です。

ここでは、書き出しから持ち込みまでを実際に通る順で並べました。まだ作っている途中の人も、出口の形を知っておくと作り方が変わります。

まず書き出し形式を決める

形式を決めずに作り始めると、後から作り直す羽目になります。行き先が決まっているなら、その受け口に合わせて形式を選んでください。

形式ごとの役割

VRMは、人型のアバターとして使うことを前提に整理された形式です。骨格の並び、表情の呼び出し方、揺れものの設定、そして利用条件の情報までを1つのファイルに含められます。受け口として持っているサービスが多いのが強みです。

FBXやglTFはもっと汎用的で、編集ソフトやゲームエンジンへ持ち込むための形式です。アバター向けの取り決めが最初から入っているわけではないので、持ち込み先で設定を組み直すことになります。

unitypackageは、Unityのプロジェクトへまとめて取り込むための入れ物です。形式というより配布の単位に近く、中に何が入っているかは作り手次第です。

行き先から逆算する

VRMをそのまま受け付けるサービスへ出すなら、VRMで書き出せる作り方を選びます。Unityを経由してアップロードする仕組みのサービスへ出すなら、編集ソフトやUnityで扱える形式が要ります。

両方に出す予定があるなら、編集の余地が大きい形式を手元に残しつつ、配布用にVRMを書き出す形が扱いやすくなります。形式そのものの中身はVRMが何を保証している形式なのかで押さえておいてください。

ここがポイント

書き出しは1回で終わりにせず、作業用の元データを必ず別に残してください。書き出したファイルから元の作りへ戻すのは、できても手間がかかります。

持ち込み先ごとの前提が違う

同じアバターでも、持ち込み先によって要求されるものが変わります。ここを揃えないまま持って行くと、アップロードの段階で弾かれます。

ファイルをそのまま受け取る型

clusterのように、書き出したファイルをアップロードするだけで使えるサービスがあります。手順が短く、作ってすぐ試せるのが利点です。

そのぶん、受け付ける形式と上限が決まっています。上限の値は端末やサービスの区分ごとに分かれているので、公式の案内で自分が使う環境の行を確認してください。数字を覚えるより、どこを見れば書いてあるかを覚えるほうが確実です。

エンジンを経由する型

VRChatのように、Unityのプロジェクトへ取り込んでからアップロードする仕組みのサービスもあります。工程は増えますが、そのぶん細かい設定ができます。

この型では、アバター本体のほかに、専用のツール類をプロジェクトへ入れる必要があります。何を入れるかは配布元の案内に従ってください。導入の順番を間違えると、後から入れ直すことになります。

独自の仕組みを持つ型

Robloxのように、そのサービス独自のアバター規格を持っている場合もあります。外部で作ったモデルを持ち込むには、規格に合わせた作りに直す必要があります。

持ち込みの可否と条件はサービスごとに違います。複数の場所で同じ姿を使いたいなら、同じアバターを複数サービスで使うときの考え方を先に読んでおくと、無駄な作り込みを避けられます。

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持ち込み方工程の長さ設定の自由度つまずきやすい場所
ファイルを直接アップロード◎×形式と上限の不一致
エンジンを経由×◎ツールの導入と設定
独自規格に合わせる×◯作りの前提そのものの違い

※対応形式と上限はサービスごとに異なります。公式の仕様ページで確認してください。

持ち込む前にやっておく調整

持ち込んでから直すより、出す前に済ませるほうが早く終わります。ここで挙げる項目は、どの行き先でも共通して効きます。

名前と構造を整える

部位やデータの名前が「新規オブジェクト」のまま残っていると、持ち込み先で何がどれか分からなくなります。作業中は覚えていても、日をまたぐと忘れます。

階層も整理しておきましょう。衣装、髪、小物がばらばらの場所に置かれていると、後で差し替えるときに探すことになります。整理は書き出し前が最も安く済みます。

数字を先に測る

持ち込み先には、形の細かさや画像の大きさに関する基準があります。基準を超えていればアップロードの段階で止まりますが、止まらなくても重すぎれば相手の環境で表示されません。

削り方の考え方は何が負荷を作っているのかを特定する方法にまとめてあります。書き出す前に一度測っておくと、持ち込み後の手戻りが減ります。

表情と揺れものを確認する

表情の呼び出し方や揺れものの設定は、形式によって引き継がれ方が変わります。書き出したあと、確認用のビューアで一度開いて、表情が切り替わるか、髪が揺れるかを見ておいてください。

ここで欠けている項目があれば、持ち込み先でも欠けます。書き出しの設定を見直すか、元データ側で設定し直すことになります。

注意

書き出したファイルを、確認せずにそのまま公開用としてアップロードしないでください。中身が想定と違っていても、アップロードは通ってしまうことがあります。

反映されないときの確認順

アップロードは成功したのに、色がおかしい、表情が動かない、髪が揺れない。この状態はよくあります。上から順に確認すると、たいてい原因にたどり着きます。


書き出したファイル自体を確認する

まず持ち込み先を疑う前に、書き出したファイルを手元のビューアで開きます。ここで既に崩れていれば、原因は書き出し側です。


形式の対応状況を確認する

持ち込み先が、その形式のどの範囲まで受け取るかを確認します。含められる情報のうち、一部だけ無視される仕様のこともあります。


表面設定の置き換えを疑う

色や質感が違う場合、持ち込み先で別の設定に置き換わっていることがあります。対応している表現の範囲を確認します。


名前の対応を見る

表情や部位が動かない場合、呼び出す側の名前と、データ側の名前が一致していないことがあります。


上限に引っかかっていないか見る

一部だけ反映されないときは、数や大きさの上限で切り捨てられている可能性があります。


最小構成で出し直す

原因が絞れないときは、衣装や小物を外した状態で書き出して試します。通れば、外した要素のどれかが原因です。


一度に複数直さない

原因を探している最中に複数の設定を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。1つ変えて、書き出して、確認する。遠回りに見えて、この繰り返しがいちばん早く終わります。

直した内容はメモに残してください。同じ問題は次のアバターでも起きます。手元に記録があれば、2回目からは数分で解決します。

複数のサービスで使い回す場合

同じアバターを何か所かで使いたい、というのは自然な要求です。ただし1つのデータで全部をまかなうのは、たいてい無理があります。

元を1つ、書き出しを複数に

現実的なのは、作業用の元データを1つ持ち、行き先ごとに書き出しを分ける形です。元を1つにしておけば、顔や衣装を直したときに全部へ反映できます。

行き先ごとの調整は、書き出し後のデータに対して行います。ここを元データに混ぜ込むと、どれが共通でどれが個別か分からなくなります。

環境が違えば作りも変わる

PC向けとスマホ・スタンドアロン機向けでは、許される重さが変わります。同じデータで両方をまかなおうとすると、軽いほうに合わせることになり、PC向けの見栄えを落とすことになります。

重さの前提が違う場合は、割り切って2種類持つほうが結果的に満足度が高くなります。持ち込み先ごとの違いはサービス別の持ち込み条件も合わせて確認してください。

初心者さん

同じアバターを何個も管理するのは大変そうです。


編集部

管理するのは元データ1つだけです。書き出したものは、必要になったら作り直せる複製だと考えてください。そう割り切ると気が楽になります。

更新したときの入れ替え作業

衣装を足した、顔を直した、といった更新は必ず起きます。入れ替えの手順を決めておかないと、更新するたびに時間を取られます。

差し替えか、作り直しか

サービスによっては、既存のアバターを同じ枠のまま更新できます。この場合、使っている人の設定を引き継げます。新規として上げ直すと、以前のものは別扱いになります。

どちらの方式かは、アップロードの画面で新規と更新が分かれているかどうかで判断できます。更新できるなら、そちらを使うほうが混乱が少なくなります。

古い版を残しておく

更新した結果が思ったものと違うことは普通にあります。差し替える前の書き出しファイルを、日付ではなく通し番号などで残しておいてください。戻れる地点があると、思い切って直せます。

公開前の最終確認は、更新のたびに同じ手順で行うのが確実です。毎回同じ項目を同じ順で見る形にしておくと、見落としが減ります。

よくある質問

表面の設定が、持ち込み先で別のものに置き換わっている可能性が高い状態です。サービスごとに扱える表現の範囲が違うため、元の設定をそのまま再現できないことがあります。まず書き出したファイルを手元のビューアで開き、その時点で色が正しいかを確認してください。手元では正しいなら、持ち込み先が対応している表現の範囲を調べます。対応外の設定を使っていた場合は、対応している範囲の設定に置き換えてから書き出し直すことになります。


受け付ける形式が同じサービス同士なら、そのまま通ることがあります。ただし上限や対応表現が違うので、片方で問題なくても、もう片方で一部が反映されないことは起こります。おすすめは、作業用の元データを1つ持ち、行き先ごとに書き出しを分ける形です。元を1つにしておけば、直したときの反映が1回で済みます。書き出したファイルは複製だと考えて、必要なときに作り直してください。


呼び出す側の名前と、データ側の名前が一致していないケースが多くあります。書き出しの設定で、どの変形をどの表情に割り当てるかを指定する箇所があるので、そこを確認してください。次に、書き出した形式が表情の情報を含められるかどうかを見ます。形式によっては、表情の設定が引き継がれません。手元のビューアで開いて動くなら原因は持ち込み先側、動かないなら書き出し側です。この切り分けを先にすると、探す範囲が半分になります。

まとめ

  • 書き出し形式は行き先から逆算して決める。作業用の元データは必ず別に残す
  • 持ち込み方は、ファイルを直接上げる型・エンジンを経由する型・独自規格に合わせる型に分かれる
  • 名前と階層の整理、数字の測定、表情と揺れものの確認は、書き出す前に済ませる
  • 反映されないときは、書き出したファイル自体 → 形式の対応 → 名前の対応 → 上限、の順で確認する
  • 複数サービスで使うなら、元データを1つにして書き出しを分ける
  • 更新は差し替えができるかを確認し、古い書き出しファイルを残しておく

持ち込みまで通ったら、次は公開前の確認項目を上から潰していきましょう。作り終えた直後は自分では粗が見えないので、決まった項目で見るのが確実です。

※対応形式・上限・アップロードの仕組みは、サービスの更新で変わります。作業前に提供元の公式情報を確認してください。

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