アバターを作る

自作アバターの完成度を上げるチェックリスト|公開前に見る20項目

目次

作り終えた直後の自分は、そのアバターをいちばん見られない状態にあります。何時間も同じ角度から見続けているので、目が慣れて粗が消えます。他人が最初に気づく場所ほど、作った本人には見えません。

これを埋める方法は、感覚に頼らず決まった項目で見ることです。「丁寧に仕上げる」では確認になりません。「どこを、どう動かして、何が起きなければ合格か」まで決めて初めて、確認できる形になります。

ここでは公開前に見る20項目を、確認する順番のまま並べました。それぞれに、なぜその項目を見るのかを添えてあります。理由が分かっていれば、自分のアバターに合わせて項目を足すこともできます。

ここがポイント

上から順に潰してください。見た目の崩れは動きの崩れを隠し、動きの崩れは重さの問題を隠します。順番を入れ替えると、同じ場所を何度も見直すことになります。

見た目まわりの確認(項目1〜4)

最初は静止した状態で見ます。動かす前に形を固めておかないと、動かしたときの崩れが形のせいなのか動きのせいなのか判断できません。

項目1:正面・横・後ろ・斜め上の4方向から静止画を撮る

合格の条件は、どの方向から見てもシルエットが途切れず、左右の非対称が意図したものだけであることです。作業中は正面と少し斜めの角度しか見ていないので、後ろと真横に手つかずの場所が残ります。

静止画にするのは、動かしながらだと見逃すからです。撮って並べると、その場では気づかなかった歪みが目に入ります。

項目2:肌と衣装の境目を寄って見る

合格の条件は、体が衣装を突き抜けている場所と、隙間が空いて中が見える場所が無いことです。首、手首、足首、腰の4か所を順に見てください。

この場所は素体と衣装の作り手が違うことが多く、境目の処理が合っていないと破綻が出ます。動かすと余計に目立つので、静止した状態で潰しておきます。

項目3:髪の毛先と衣装の端に、意図しない縁が出ていないか

合格の条件は、透ける部分の境界に黒い縁や四角い切れ端が見えないことです。明るい背景の前に立たせると分かりやすくなります。

透過の処理は背景の明るさで見え方が変わります。暗い場所でしか確認していないと、明るい場所へ行った瞬間に縁が出ます。

項目4:明るい場所と暗い場所の両方で色を見る

合格の条件は、明るい場所で色が飛ばず、暗い場所で潰れて真っ黒にならないことです。光の当たり方が違う場所を2か所用意して、同じ姿勢で見比べます。

作業中の画面は照明が一定です。実際に使う場所の明るさは場所ごとに違うので、片方でしか確認していないと、行った先で印象が変わります。

動きまわりの確認(項目5〜8)

形が固まったら動かします。ここで出る崩れは、静止画では絶対に見つかりません。

項目5:歩く・しゃがむ・座るの3動作を通す

合格の条件は、どの動作でも衣装から体が飛び出さないことです。特にしゃがむ動作は、スカートや裾の破綻が最も出やすい姿勢です。

この3つを選ぶ理由は、実際にいちばん長く取る姿勢だからです。派手なポーズより、日常的な動きのほうが人に見られる時間が長くなります。

項目6:腕を真上まで上げて、脇と肩を見る

合格の条件は、脇の付け根が不自然に折れず、肩の形が保たれていることです。上げ切った状態で止めて、正面と背面から見てください。

腕を上げる動作は、素体の変形が最も大きく出る場所です。ここが崩れていると、手を振る、指をさすといった日常的な動きのたびに目につきます。

項目7:手を握る・開く動作を確認する

合格の条件は、指が互いに突き抜けず、握った形が拳として成立していることです。片手ずつ、正面と手の甲側から見ます。

手は会話中に相手の視界へ入り続ける部位です。顔ほど見られていないと思われがちですが、実際は動いているぶん目を引きます。

項目8:揺れものが、動きを止めたあとに静止するか

合格の条件は、その場で止まってから数秒以内に、髪や裾の揺れが収まることです。いつまでも揺れ続ける、または一定の振動が残る状態は設定が合っていません。

止まらない揺れは、見た目の落ち着きが無くなるだけでなく、計算が動き続けるぶん負荷にもなります。見た目と重さの両方に効く項目です。

表情まわりの確認(項目9〜12)

表情は、作った本人がいちばん確認を飛ばしがちな場所です。1つずつ全部呼び出す以外に確認方法はありません。

項目9:用意した表情をすべて1つずつ呼び出す

合格の条件は、一覧に並んでいる表情のうち、反応しないものが1つも無いことです。まとめて確認せず、必ず1つずつ切り替えます。

呼び出す側の名前とデータ側の名前がずれていると、その表情だけ無反応になります。よく使う表情だけ試して公開すると、使わない表情の欠けに気づけません。

項目10:まばたきが左右同じ量で動くか

合格の条件は、閉じる途中の状態で止めたとき、左右のまぶたが同じ位置にあることです。閉じ切った状態だけでは差が分かりません。

片目だけ動きが浅いという不具合は珍しくありません。まばたきは会話中ずっと繰り返されるので、わずかなずれでも違和感として蓄積します。

項目11:口を最大まで開けて、内側を見る

合格の条件は、歯や舌が唇の外へ飛び出していないことです。正面と、やや下からの角度の両方で確認します。

口の中は素体側の作りに依存するため、衣装や髪を変えても直りません。気づかないまま公開すると、話すたびに出ることになります。

項目12:表情を最大値まで動かして輪郭を見る

合格の条件は、目や口の輪郭が破綻せず、まぶたが眼球を突き抜けないことです。中間の強さでは問題なくても、最大で崩れることがあります。

実際の使用では最大値まで振れる場面があります。控えめな値でしか試していないと、驚いた表情や大笑いのときに初めて崩れが出ます。

注意

表情の確認は、作業に使っているソフトの中だけで済ませないでください。持ち込み先で表情の呼び出し方が変わることがあります。項目16でもう一度見ます。

重さの確認(項目13〜15)

見た目が整っても、重すぎれば相手の環境で表示されません。作り込んだものを見てもらうための確認です。

項目13:数値の一覧を開き、基準を超えた項目を探す

合格の条件は、持ち込み先が示す基準の中に、すべての項目が収まっていることです。基準の値は端末とサービスの区分ごとに分かれているので、自分が使う環境の行を見ます。

数字を暗記する必要はありません。確認する場所を覚えておけば、基準が更新されても対応できます。何が引っかかっているかの特定はどの項目が負荷を作っているかを調べる手順にまとめてあります。

項目14:使っていない衣装・小物・素材が残っていないか

合格の条件は、データの一覧を上から見て、使う予定の無いものが1つも入っていないことです。非表示にしただけのものは残っている扱いになります。

この項目は、見た目をまったく変えずに数値が下がる唯一の場所です。作業の途中で試した小物が忘れられていることは、かなりの頻度であります。

項目15:テクスチャの大きさが、見える面積に見合っているか

合格の条件は、靴の裏、髪の内側、服に隠れる部分に、顔と同じ大きさの画像が使われていないことです。大きさの一覧を出して、面積の小さい部位から見ます。

ここは効果が出やすく、見た目への影響が読みやすい場所です。顔と正面から見える装飾は下げず、見えない場所から下げるという順序を守ってください。

持ち込み先での確認(項目16〜18)

作業ソフトの中で完璧でも、持ち込み先で同じに見えるとは限りません。ここは必ず実際の環境で行います。

項目16:持ち込み先で、書き出し時と同じ見た目になっているか

合格の条件は、色・質感・表情・揺れものの4つが、手元で確認したものと一致していることです。1つでもずれていれば、書き出しか対応範囲のどちらかに原因があります。

持ち込み先ごとに扱える表現の範囲が違います。ずれたときの切り分け方は書き出しから持ち込みまでの流れで順を追って説明しています。

項目17:自分以外の視点から全身を見る

合格の条件は、鏡や撮影用の視点で全身を見たときに、頭の上・背中・足元に破綻が無いことです。一人称の視界からは、この3か所が構造的に見えません。

他人があなたを見るのは、ほぼこの視点からです。自分の視界だけで判断すると、他人にだけ見えている崩れが残ります。

項目18:想定している端末で、省略されずに表示されるか

合格の条件は、使う予定の端末で、表示が簡略化されたり非表示になったりせずに出ることです。可能なら、人が多い場所でも一度試します。

重いアバターは、相手側の設定によって表示が省略されることがあります。作り込んだ部分ほど、この省略で見えなくなります。

公開前の最終チェック(項目19〜20)

最後は、公開したあとに取り返しがつかなくなる2点です。作業としては地味ですが、飛ばすと後で困ります。

項目19:利用条件の情報が書き出したファイルに入っているか

合格の条件は、作者名と、どこまでの利用を認めるかの設定が入力されていることです。書き出しの設定画面に、これらを入力する欄があります。

配布や販売をしない場合でも、入れておく意味があります。ファイルが手元を離れたとき、条件を伝える手段がこれしか残らないからです。

項目20:元データと書き出しファイルの控えがあるか

合格の条件は、作業用の元データと、今回公開する書き出しファイルの両方が、別の場所に保存されていることです。上書きではなく、通し番号を付けて残します。

更新した結果が思ったものと違うことは普通に起きます。戻れる地点があると、思い切って手を入れられるようになります。

初心者さん

20項目も、毎回やるのは大変じゃないですか。


編集部

2回目からは短くなります。自分のアバターで引っかかる場所は決まってくるので、そこだけ重点的に見れば済みます。最初の1回で自分の癖を掴んでください。

よくある質問

削るなら、項目1・2・5・9・13・17の6つは残してください。4方向の確認、境目の破綻、しゃがむ動作、表情の全呼び出し、数値の一覧、自分以外の視点からの確認です。この6つは、他人が最初に気づく場所と、公開後に直しづらい場所を押さえています。逆に、明るさによる見え方や表情の最大値といった項目は、後から気づいても差し替えで対応できます。時間が無いときほど、取り返しのつきにくい順に見てください。


見ている角度と距離が違うからです。作業中は自分の視点か、正面からの固定した角度で見続けます。一方、他人はあなたを横から、後ろから、そして少し離れた距離から見ています。この差を埋めるのが項目1と項目17です。さらに、長時間見続けると目が慣れて、違和感を検知しなくなります。一晩置いてから見直すと、前日には見えなかった場所に気づけることがあります。


場所によります。他人の視界に常に入る場所、つまり顔・手・シルエットに関わる破綻は直してから公開するほうがいいでしょう。一方、特定の姿勢でだけ出る軽微な破綻は、把握したうえで公開しても大きな問題にはなりません。大事なのは、気づいていない状態と、気づいたうえで残している状態を分けることです。分かっている崩れは、次の更新でまとめて直せます。

まとめ

  • 確認は「どこを、どう動かして、何が起きなければ合格か」まで決めて初めて成立する
  • 順番は、見た目 → 動き → 表情 → 重さ → 持ち込み先 → 最終確認。入れ替えると二度手間になる
  • 他人が最初に気づくのは、後ろ・真横・足元・手など、自分の視点から見えない場所
  • 表情は1つずつ全部呼び出す。よく使うものだけの確認では欠けに気づけない
  • 重さの確認は、見てもらうための工程。省略表示されると作り込みが伝わらない
  • 公開前に、利用条件の情報と、戻れる控えの2つを必ず用意する

チェックを通したら、次は撮って見せる段階の作法やアバターを持ったあとに広がる遊び方へ進んでみてください。人に見せる前提で使い始めると、次に直したい場所が自然に見えてきます。

※基準の値や確認できる項目名は、サービスの更新で変わります。公開前に提供元の公式情報を確認してください。

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