表情メニューの作り方|ギミックのオン・オフを自分で組む
衣装を着替える、しっぽを出す、表情を固定する。こうした操作をアプリ内の自分のメニューから呼び出せるようにすると、アバターの使い勝手は一段変わります。
この記事では、メニューがどういう仕組みで動いているのかを先に説明し、そのうえで切り替えをひとつ作る流れを順に追います。項目が増えたときの整理のしかたと、動かないときの確認順まで扱います。
最初に押さえておきたいのは、メニューは「ボタンそのもの」ではないということです。メニューは値を書き換える窓口で、実際にアバターを変えているのは別の仕組みです。ここが分かると、動かないときの原因もすぐ絞れます。
メニューは値を書き換える窓口
自分のアバターを操作する仕組みは、大きく3つの部品でできています。値を保持する入れ物、その値を見て動きを切り替える仕組み、そして値を書き換えるための窓口です。窓口がメニューにあたります。
3つの部品の関係
たとえば上着の表示を切り替える場合を考えます。まず「上着を出すかどうか」を表す値を用意します。次に、その値が変わったら上着の表示を切り替える、という動きを用意します。最後に、その値を書き換えるボタンをメニューに置きます。
この3つが揃って初めて操作できるようになります。どれかひとつでも欠けていると、押しても何も起きません。逆に言えば、動かないときはこの3つのどこが欠けているかを見ればよいということです。
値の種類で操作の形が決まる
値には性格の違うものがあります。オンかオフかを表すもの、いくつかの選択肢から1つを選ぶもの、連続した強さを表すものの3種類です。
オン・オフの値は、押すたびに切り替わるボタンや、押している間だけ有効になるボタンになります。選択肢から選ぶ値は、複数の項目をひとまとめにした選択メニューになります。連続した値は、つまみを動かして加減する形になります。作りたい操作から逆算して、どの種類の値を使うかを決めましょう。
他人から見えるかどうかも仕組みで決まる
自分の画面では切り替わっているのに、相手の画面では変わっていない。この食い違いは、値が周囲に伝わる形になっていないときに起きます。
見た目に関わる操作は、基本的に周囲へ伝わる前提で作ります。逆に、自分の視界の調整のような個人的な設定は、伝えなくてかまいません。人に見せたい変化なのかどうかで判断すると、迷いが減ります。
「値を用意する」「値を見て動く仕組みを作る」「値を書き換える窓口を置く」。この3点セットが1つの操作です。どれか欠けると動きません。
切り替えをひとつ作ってみる
まずは、小物の表示をオン・オフするだけの単純な操作を1つ作るのが近道です。ここが動けば、あとは同じ形を複製して中身を差し替えるだけになります。
作業の流れ
切り替えたい対象をひとまとめにする
表示を切り替える部分を、ひとつの固まりとして階層にまとめます。バラバラのままだと管理が破綻します。
値を用意する
オン・オフを表す値を1つ登録します。名前は後から見て分かるものにしましょう。
動きを用意する
値がオンのときは表示、オフのときは非表示、という切り替えを設定します。非破壊で扱えるツールを使うと、この工程が指示を置くだけで済みます。
メニューに項目を置く
用意した値を書き換える項目を、メニューの好きな場所に追加します。
書き出して動作を確認する
実際にアップロードし、自分のメニューから操作して切り替わるかを見ます。
衣装のように「どれか1つ」を選ぶ場合
衣装が3着あって、そのうち1着だけを着たい場合は、オン・オフの値を3つ作るより、選択肢から選ぶ値を1つ作るほうが素直です。値が1つで済み、同時に2着着てしまう事故も起きません。
この形にしておくと、あとから衣装を追加するときも選択肢を増やすだけで済みます。着せ替え自体の手順は衣装の着せ替えを扱った記事にまとめています。
非破壊の仕組みを使うと何が変わるか
従来は、値、動き、メニュー項目をそれぞれ別に作り、手作業で結びつける必要がありました。項目が増えるほど、この結びつけが煩雑になります。
非破壊で組める道具を使うと、「この固まりをメニューから出し入れしたい」という指示を置くだけで、必要な部品が書き出し時に生成されます。既存の構成を壊さずに追加できるのも利点です。仕組みの考え方は非破壊改変をまとめた記事で説明しています。
項目が増えたときの整理
操作を作るのは楽しいので、気づくと項目が20個近く並んでいることがあります。この状態になると、探すだけで時間がかかり、結局使わなくなります。
階層は「大分類→小分類」で切る
まず大きな区分を決めます。衣装、小物、表情、便利機能。この程度の粒度で入り口を分け、その中に個別の項目を入れていきます。
1つの階層に並べる項目は、少なめに抑えると探しやすくなります。多く詰め込むほど視線を動かす量が増え、目当てのものを見つけにくくなります。深くしすぎるのも問題で、3段以上潜ると操作が面倒になります。2段程度で目的に着けるのが理想です。
よく使うものを浅い場所に置く
使用頻度は項目ごとに大きく違います。毎回使う表情の固定や、よく着る衣装は入り口に近い場所へ。年に数回しか使わない小物は、奥にまとめて構いません。
この配置は使いながら見直すものです。最初から完璧な構成を作ろうとせず、しばらく使って「よく探すもの」を浅い場所へ移していきましょう。
名前は短く、意味が分かる形に
項目名が長いと、表示のときに切れて読めなくなります。かといって記号だけにすると、後から自分でも分からなくなります。数文字で内容が分かる短い語を選ぶのが実用的です。
同じ階層に似た名前が並ぶのも避けたいところです。「上着1」「上着2」のような並びは、実際に使う場面で迷います。色や形など、見分けのつく語を入れておきましょう。
使っていない項目は消す
試しに作った操作を残したままにすると、項目だけが増えていきます。値の入れ物も消費し続けるため、いいことがありません。
数か月使わなかった項目は、思い切って外しましょう。非破壊で組んでいれば、外すのも戻すのも軽い作業です。必要になったときに作り直せばよい、と考えたほうが構成は健全に保てます。
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| 操作の種類 | 使う値 | 向いている置き場所 | 作りやすさ |
|---|---|---|---|
| 小物のオン・オフ | オン・オフの値 | 入り口に近い場所 | ◎ |
| 衣装の切り替え | 選択肢から選ぶ値 | 衣装の階層の中 | ◎ |
| 表情の固定 | 選択肢から選ぶ値 | 入り口に近い場所 | ◯ |
| 色や強さの調整 | 連続した値 | 調整用の階層 | ◯ |
※構成の好みによって最適な形は変わります。
アプリ側のメニューの見方も押さえておく
自分で組んだ項目がどこに出るのかは、アプリのメニュー構造を理解していないと分かりにくいものです。着替えや表情がどの階層から呼び出されるのかはアバターメニューの見方の記事で整理しています。
保存される設定と、されない設定
ワールドを移動したりアプリを再起動したりしたときに、設定が元に戻ってしまう。これはよくある戸惑いポイントですが、仕組みを知れば意図して使い分けられます。
値ごとに「覚えておくかどうか」を決められる
値には、次回も引き継ぐものと、毎回初期状態から始まるものがあります。衣装の選択のように、前回の状態を保ちたいものは覚えておく設定にします。
一方、一時的な演出や、初期状態から始まってほしい機能は、覚えない設定のままにしておきます。全部を覚えるようにすると、意図しない状態で人前に出てしまうことがあります。
迷ったら「次に会う人にもこの状態で見られていいか」を基準にしましょう。衣装や髪の色は覚えておくと便利ですが、ふざけた演出は毎回初期状態に戻るほうが安全です。
読み込み直後は少し待つ
ワールドに入った直後は、値の反映に少し時間がかかることがあります。切り替えたはずの衣装が一瞬だけ元に戻って見えるのは、この間の挙動です。
これは不具合ではないので、直そうとする必要はありません。ただし、いつまでも反映されない場合は保持の設定か、動きの設定を疑いましょう。
入れ物には上限がある
値を保持する入れ物には容量の上限が決められていて、使う値の種類によって消費量が変わります。項目を増やしすぎると、この上限に当たります。
具体的な上限値はサービスの仕様で決まり、更新で変わることもあります。自分が使う環境の公式ドキュメントで、現在の値と数え方を確認しましょう。上限が近づいてきたら、オン・オフの値をいくつかまとめて選択肢の値に置き換えると節約できます。
オン・オフの値を4つ並べるより、選択肢から選ぶ値を1つにしたほうが、入れ物の消費を抑えられることがあります。「同時に1つしか使わない」操作は、まとめる候補です。
動かないときの確認順
押しても何も起きない、押すと別のものが変わる。こうした症状は、確認する順番を決めておくと短時間で切り分けられます。
上流から順に見ていく
メニューの項目が出ているか
そもそも項目が表示されていないなら、メニューへの追加ができていません。
項目が正しい値を指しているか
項目と値の結びつけを確認します。名前の打ち間違いが原因のことが多い場所です。
値が登録されているか
値そのものが用意されていないと、書き換え先がありません。名前と種類が一致しているかを見ます。
動きが設定されているか
値が変わったときに何をするかが決まっていなければ、値だけ変わって見た目は変わりません。
対象が正しく指定されているか
切り替える対象がずれていると、別のものが動きます。階層を移動したあとに起きやすい症状です。
名前の不一致がいちばん多い
この種のトラブルは、名前が1文字違うだけで起きます。大文字と小文字の違い、全角と半角の混在、末尾の空白。どれも見た目では気づきにくいものばかりです。
手で入力するより、既存の名前をそのまま複製して使うほうが確実です。値を追加するときに命名の規則を決めておくと、あとから見返したときにも分かりやすくなります。
すべて半角英数字で書く、単語の区切りは同じ記号に統一する。この2つを決めておくだけで、不一致の事故はかなり減ります。日本語を混ぜると、環境によって扱いが変わることもあるので避けたほうが無難です。
他の設定と競合していないか
同じ対象を複数の仕組みが操作していると、後から動いたほうが勝ちます。衣装に元から入っていた切り替えと、自分で追加した切り替えがぶつかっている、というのはよくある例です。
この場合は、どちらか一方に寄せます。症状から原因を辿る手順は改変トラブルの逆引き記事にまとめているので、切り分けに詰まったら参照してください。
衣装を切り替えたあとにワールドを移動すると、元の衣装に戻ってしまいます。
その値が「覚えておく」設定になっていない可能性が高いです。次回も引き継ぎたい値は、保持する形にしておくと解決します。
よくある質問
上限はサービスの仕様で決まっており、値を保持する入れ物の容量と、メニューの構造の両方に制限があります。数値は更新で変わることがあるため、自分が使う環境の公式ドキュメントで現在の値を確認してください。上限に近づいたら、オン・オフの値をまとめて選択肢の値に置き換えると消費を抑えられます。
上流から順に見ます。項目が表示されているか、項目が指している値の名前が合っているか、値そのものが登録されているか、値の変化に応じた動きが用意されているか、動かす対象の指定が合っているか。この順番で潰していくと、たいてい途中で原因が見つかります。名前の打ち間違いが最も多い原因です。
できます。非破壊で組める道具を使うと、既存の構成を書き換えずに項目を足せます。手作業で組む場合も、元の構成を複製してから作業すれば安全です。いずれの方法でも、追加する前の状態を保存しておくと、うまくいかなかったときにすぐ戻せます。
まとめ
- 操作は「値・動き・窓口」の3点セットでできている
- 作りたい操作から逆算して、値の種類を選ぶ
- 同時に1つしか使わない操作は、選択肢の値にまとめると節約になる
- 階層は大分類で切り、よく使うものを浅い場所に置く
- 動かないときは上流から順に確認する。原因の多くは名前の不一致
先に仕組みを整えてから作りたい場合は非破壊改変の考え方を押さえておくと、追加も撤去も軽い作業になります。
※制限値やメニューの仕様はサービス側の更新で変わります。実際の上限は公式ドキュメントを確認してください。