髪・アクセサリーを追加する|位置合わせとボーン設定の考え方
ヘアピン、眼鏡、イヤリング、しっぽ。小物をひとつ足すだけで、同じアバターでも印象は大きく変わります。作業自体も衣装の差し替えより軽く、改変の練習にちょうど良い題材です。
大事なのは順番です。まず紐づけ先を決め、それから位置と大きさを合わせる。揺れる設定を入れるかどうかは、そのあとで判断すれば間に合います。数が増えたときの整理と、あとから外せる状態を保つ方法も扱います。
要点を先に言うと、アクセサリー追加でいちばん大事なのは「どの骨に紐づけるか」です。ここを間違えると、頭を動かした瞬間に置いていかれます。
小物は「どの骨についていくか」で決まる
3Dアバターの体は、内部に骨組みが入っていて、その骨が動くと表面がついてきます。追加した小物も同じ仕組みに乗せます。つまり、小物を骨組みのどこかの下に置いてやると、その骨と一緒に動くようになります。
部位ごとの基本の置き場所
ヘアアクセサリーや眼鏡、角のような頭まわりの小物は、頭の骨の下に置きます。頭を振ったときに一緒に動いてほしいものは、すべてここです。首の骨に置いてしまうと、頭だけを傾けたときに小物が取り残されます。
手に持たせる小物は手首の骨、腰につけるポーチは腰の骨、しっぽは腰か背骨の根本、というように、実際についていてほしい体の部位を素直に選べば外しません。迷ったら「この小物は体のどこにくっついているのか」を考えると答えが出ます。
髪飾りは髪の骨に付けるか、頭に付けるか
髪飾りだけは判断が分かれます。揺れる髪の束に紐づけると、髪と一緒に揺れて自然に見えます。ただし髪が大きく動くと、飾りも一緒に飛び回ります。
頭の骨に直接紐づけると動きは安定しますが、髪が揺れたときに飾りだけ取り残されて見えることがあります。前髪の根本のように動きが小さい場所なら頭側、毛先に近い場所なら髪の骨側、と使い分けるのが無難です。
判断に迷ったら、まず頭の骨に置いて動かしてみましょう。それで違和感がなければ、そのままで十分です。揺れる髪に乗せるのは、明らかに取り残されて見えるときだけで構いません。
紐づけ先を間違えたときの見え方
置き場所を間違えると、症状としてすぐ出ます。頭を傾けたのに小物だけ真っすぐのままなら、頭より上流の骨に置かれています。逆に、体を動かしていないのに小物が勝手に泳ぐなら、揺れる骨の下に入っています。
どちらも位置を直しても解決しません。紐づけ先そのものを置き直す必要があります。位置合わせに入る前に、動かして確認する癖をつけておくと、無駄な調整をせずに済みます。
紐づけ先を決めるときの基準はひとつです。「この小物は、体のどの部分にくっついているように見せたいか」。その部分を動かしている骨の下に置けば、たいてい正解です。
位置と大きさの合わせ方
紐づけただけでは、小物はたいてい変な場所に浮いています。ここから位置、向き、大きさの3つを詰めていきます。作業の順番を決めておくと早く終わります。
大きさ、位置、向きの順で詰める
まず大きさを合わせる
極端に大きい・小さい状態で位置を合わせても意味がありません。全体の縮尺を先に合わせます。縦横高さは同じ比率で変えましょう。
正面から見て左右と高さを合わせる
顔の正面にカメラを置き、左右のずれと上下の位置を取ります。この段階では奥行きは無視します。
横から見て奥行きを合わせる
真横に回り、頭や体にめり込んでいないか、逆に浮いていないかを見ます。
向きを微調整する
顔や体の面に沿うように角度を寝かせます。眼鏡やヘアピンは、わずかな角度で印象が変わります。
動かして確認する
頭を振る、腕を回す。動きのあるポーズで、めり込みや飛び出しが起きないかを見ます。
めり込みは「少し埋める」が正解のことも多い
ヘアピンやカチューシャは、髪の表面にぴったり乗せるより、少し埋めたほうが自然に見えます。完全に浮かせると、間に隙間が見えて浮遊感が出ます。
ただし埋めすぎると、髪が揺れたときに飾りが中に消えます。正面と横だけでなく、少し斜め上からも確認して、どの角度でも成立する深さを探しましょう。
眼鏡のように顔から浮かせるものは逆で、こめかみに接する部分だけをわずかに触れさせ、レンズは肌から離します。接地している場所と離れている場所を意識すると、作り物っぽさが減ります。
アバターの縮尺を変えている場合
身長を変えるためにアバター全体の縮尺を触っていると、小物の大きさの感覚が狂います。小物側の数値だけを見ても実際の見え方は分かりません。
この場合は、必ず見た目で判断します。数値をそろえることより、実際にかぶって見たときの大きさが優先です。身長調整をこれからする予定なら、先に身長を決めてから小物を合わせるほうが手戻りが減ります。
他人から見える大きさで確かめる
自分の目線から見ると、頭まわりの小物は視界の端にしか映りません。実際に見られるのは他人の目線からで、そこでは印象がかなり変わります。
調整の最後には、少し離れた場所にカメラを置いて全身を映し、そのうえで大きさを見直しましょう。近くで詰めているときにちょうど良く見えた眼鏡が、離れると目立ちすぎている、という食い違いはよく起きます。
揺れる設定を入れるかどうか
しっぽ、長いイヤリング、リボンの垂れた部分。こうしたパーツは、揺れる設定を入れると生き生きして見えます。ただし、全部に入れるのが正解ではありません。
揺らすべきものと、揺らさなくていいもの
現実で垂れ下がっているもの、細長くしなるものは揺らす候補です。逆に、頭に固定された硬い装飾、眼鏡、ピアスの小さな金具などは、揺れない方が自然に見えます。
揺れる設定は毎フレーム計算が走るため、増やすほど負荷が上がります。効果が見えにくい場所に入れるのは、負担だけが増える選択になります。
迷ったら、まず揺らさない状態で動かしてみましょう。それで不自然に感じなければ、そのままで問題ありません。「動きが硬くて作り物っぽい」と感じたときだけ、揺れを足す順番にすると入れすぎを避けられます。
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| 小物の種類 | 揺らす価値 | 負荷 | おすすめ |
|---|---|---|---|
| しっぽ・長いリボン | 大きい | 中 | ◎ |
| 垂れ下がるイヤリング | 中 | 小 | ◯ |
| カチューシャ・ヘアピン | 小さい | 小 | × |
| 眼鏡 | ほぼ無い | 小 | × |
※実際の見え方は形状と長さで変わります。
揺れの設定はどこから借りるか
ゼロから設定を作るより、そのアバターの髪に入っている揺れの設定を参考にするほうが早く仕上がります。同じアバターの中で揺れ方の性格が揃うと、全体がまとまって見えます。
硬さと戻りの強さにあたる項目を少し動かして、動きが止まったときにきれいに落ち着く位置を探します。止まった状態ではなく、歩く・振り向くといった動きで確認するのが確実です。
重そうな見た目のものは硬めに、軽い布や細い紐は柔らかめに寄せると質感が伝わります。金属の飾りが布のように波打つと違和感が出るので、素材の印象と揺れ方を合わせるのがコツです。
体にめり込むときの考え方
しっぽや長い装飾が脚や背中を突き抜ける場合は、当たり判定の設定を見ます。素体側に用意された判定を、小物の揺れ設定が参照する形になっているかを確認しましょう。
判定を増やすほど処理は重くなるので、目立つ場所だけに絞ります。全身に細かく入れる必要はありません。負荷の評価がどう決まるかはPerformance Rankの読み方の記事で確認できます。
数が増えたときの管理
小物は追加が手軽なぶん、気づくと10個近くぶら下がっていることがあります。この段階で整理していないと、あとで何がどこにあるか分からなくなります。
ひとつの小物をひとつの固まりにする
追加した小物は、それぞれ独立した固まりとしてまとめます。表示の切り替えも、位置の調整も、その固まりごとに完結する形にしておきます。こうしておくと、あとで一部だけ外すのが簡単です。
名前も分かるように付けておきましょう。取り込んだままの名前だと、数が増えたときに区別できません。「頭_リボン」「腰_ポーチ」のように、部位と種類が入っていれば十分です。
組み合わせ単位でまとめておく
小物は単体で使うより、いくつかをセットで身につけることのほうが多くなります。「普段の組み合わせ」「撮影用の組み合わせ」のように、よく使う束を先に決めておくと切り替えが速くなります。
束にしておくと、負荷の管理もしやすくなります。全部を同時に出すのではなく、束ごとに出し入れする前提なら、常時表示するものを絞り込めるからです。装飾の量に迷ったら、まず束を作ってから中身を調整しましょう。
オン・オフをメニューから操作できるようにする
いつも全部つけている必要はありません。場面によって外したい小物は、アプリ内のメニューから切り替えられるようにしておくと便利です。
切り替えの仕組みは、表示のオン・オフを設定として登録し、メニューの項目と結びつける形で作ります。組み方は表情メニューの作り方の記事で手順を追って説明しています。小物が増えてきたら、まとめて整理するタイミングです。
小物を増やすと、その分だけ描画の指示と骨の本数が増えます。1つずつは小さくても、積み重なると軽さに効いてきます。人が多い場所へ行くなら、常時つけるものは絞っておきましょう。
外せる状態を保つ
小物の追加は、あとから変えたくなる作業の代表格です。だからこそ、外す手間を最初から減らしておく価値があります。
元データを書き換えずに足す
アバターの元データを直接いじらず、設定を積み上げる形で改変する考え方があります。この方式なら、小物を外すのは追加した部分を無効にするだけで終わります。骨組みへの紐づけも自動で処理できるため、手作業の位置合わせだけに集中できます。
考え方と使いどころは非破壊改変をまとめた記事で詳しく扱っています。小物を何個も試すつもりなら、先に押さえておくと後半が楽になります。
調整の結果をメモしておく
位置合わせは、時間をかけて詰めた結果が数値として残ります。作り直しになったときに同じ数値を入れられれば、一からやり直さずに済みます。
設定をまとめて保存できる形にしておくか、少なくとも位置・向き・大きさの数値を控えておきましょう。アバターを更新したときや、別の場所に作り直したときに効いてきます。
アバター側が更新されたときに備える
素体は作者によって更新されることがあります。骨組みの構成が変わると、それまでの紐づけがずれる場合があります。
更新のたびに一から合わせ直すのは大変なので、小物の設定を独立して持ち運べる形にしておくと安心です。追加分だけを新しい素体に移し、位置を微調整すれば済む状態が理想です。ここでも、元データを書き換えない組み方が効いてきます。
カチューシャを付けたのですが、頭を横に振ると少し遅れてついてきます。
揺れる髪の骨に紐づいている可能性があります。固定して見せたい小物なら、頭の骨の下に置き直すと安定します。
よくある質問
少しずつ重くなります。増えるのは主に、描画の指示の回数、骨の本数、揺れる設定の計算量の3つです。小物ひとつなら影響は小さいものの、10個近く常時つけると無視できない差になります。人が多い場所へよく行くなら、常時つけるものを絞り、残りはメニューで切り替える形にすると扱いやすくなります。
頭や手のような、形の差が出にくい場所の小物なら比較的うまくいきます。位置と大きさを合わせ直すだけで済むことが多いためです。一方、体に沿う形の装飾や、素体の骨組みに強く依存するパーツは調整量が大きくなります。購入前に規約で改変や他素体での利用が認められているかを確認しておきましょう。
揺れる設定が入っているなら、当たり判定を参照しているかを確認します。判定が効いていない、または判定の範囲が体と合っていないと突き抜けます。揺れる設定を入れていない場合は、そもそもの位置が体に近すぎることが原因です。少し外側に離し、動きのあるポーズで再確認してください。
まとめ
- 紐づけ先は「その小物がくっついている体の部位」を動かしている骨を選ぶ
- 合わせる順番は、大きさ→正面から位置→横から奥行き→向き
- 揺らすのは垂れ下がるもの・しなるものだけでよい
- 小物ごとに固まりを分け、名前を付けておくと管理が破綻しない
- 元データを書き換えない形で足せば、外すのも入れ替えも軽い作業になる
小物が増えてきたら、次はメニューからの切り替えを組むと使い勝手が上がります。表情メニューの作り方から進めると、そのまま応用できます。
※小物や素体の構成によって最適な設定は変わります。同梱の説明書きと利用規約を優先して確認してください。