改変・カスタマイズ

色替えの3つのやり方|向き不向きと、失敗しない順番

目次

色替えは改変の入口として最も向いています。モデルの形に一切触らないので失敗しても影響が小さく、変えた結果がその場で目に見えるからです。最初の成功体験をここで作っておくと、この先の作業がぐっと進めやすくなります。

ただし「色を変える」と一言でいっても、やり方は3通りあります。設定の数値を書き換える方法、貼られている画像そのものを編集する方法、そしてシェーダーが持つ色の機能を使う方法です。この3つは手間も自由度も違い、目的によって向き不向きがはっきり分かれます。

3つの違いを先に把握してから、自分がやりたい変更に合う方法を選んでください。合わない方法を選ぶと、できないことに時間を使うことになります。

3つのやり方は、どこを触っているかが違う

色替えの方法が複数あるのは、アバターの見た目が複数の要素の重ね合わせでできているからです。どの層を触るかで、できることと戻しやすさが変わります。

色は「画像」と「設定」の掛け算で決まる

3Dアバターの表面には、テクスチャと呼ばれる画像が貼られています。服の柄や髪の陰影は、この画像に描かれています。そしてその画像に対して、マテリアルという設定のまとまりが「どう表示するか」を指定します。

画面に見えている色は、この2つを掛け合わせた結果です。だから、画像を描き替えても色は変わりますし、設定側の色を変えても色は変わります。触る場所が違うだけで、どちらも正解です。

3つの方法の位置づけ

マテリアルの色設定を変える方法は、画像全体に色をかぶせるイメージです。手軽ですが、部分ごとに塗り分けることはできません。テクスチャを直接編集する方法は、画像そのものを描き替えるので自由度が最も高く、そのぶん手間もかかります。

シェーダーの機能を使う方法は、その中間にあります。シェーダーによっては、特定の色だけを選んで別の色に置き換える機能を持っています。使えれば手軽で強力ですが、シェーダー側に機能がなければ選べません。

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比べる項目マテリアル設定テクスチャ編集シェーダー機能
手軽さ◎×◯
部分ごとの塗り分け×◎◯
元に戻しやすさ◎◯◎
必要な道具の追加×◎×
思い通りの色にできる◯◎◯

※シェーダー機能の可否は、使っているシェーダーによって変わります。

方法1:マテリアルの色設定を変える

いちばん手軽で、最初に試すべき方法です。追加の道具は要らず、開発環境の中だけで完結します。

やることは色の指定を差し替えるだけ

アバターの階層から色を変えたいパーツを選ぶと、そのパーツが使っているマテリアルが表示されます。その中に色を指定する項目があるので、そこを望みの色に変えます。プレビュー画面に即座に反映されるので、見ながら調整できます。

注意が要るのは、マテリアルは複数のパーツで共有されていることがある点です。髪の色を変えたつもりが、同じマテリアルを使っている眉やまつげまで変わることがあります。

共有されているマテリアルは複製してから触る

一部だけ変えたい場合は、そのマテリアルを複製し、複製したほうを対象のパーツに割り当ててから編集します。こうすれば、他のパーツには影響しません。

この「複製してから触る」は改変全体を通しての基本です。元のファイルを直接書き換えないだけで、戻す手間が大幅に減ります。

複製したマテリアルには、何に使うものかが分かる名前を付けておきましょう。数が増えてくると、似た名前が並んで区別がつかなくなります。あとで色を微調整するときに探す時間が減るので、この一手間は早い段階で効いてきます。

できないこともはっきりしている

この方法は画像全体に色を掛ける形なので、「服の袖だけ赤くする」といった部分指定はできません。また、元の画像が暗い色で描かれている場合、明るい色を指定しても思ったほど明るくならないことがあります。

ここで限界を感じたら、次の方法へ進む合図です。無理に押し切ろうとせず、やり方を変えたほうが早く着地します。

ここがポイント

まずマテリアルの色設定で試し、思った色にならなければ他の方法に移る。この順番が、時間の無駄がいちばん少ないやり方です。

方法2:テクスチャを直接編集する

自由度は最も高く、部分的な塗り分けも柄の差し替えもできます。そのかわり、画像編集ソフトが必要になり、作業の手数も増えます。

テクスチャは平面に開いた型紙

テクスチャは、立体のモデルの表面を平面に展開した画像です。服の型紙を思い浮かべると分かりやすくなります。展開のルールをUVと呼び、画像のどの部分がモデルのどこに対応するかが決まっています。

だから、画像の左上を塗ったからといって、モデルの左上が塗られるわけではありません。どこがどこに対応するかを確かめながら塗る必要があります。

対応を確かめる簡単な方法は、目立つ色で一部だけ塗って書き出し、モデル上のどこが変わったかを見ることです。数回繰り返せば、画像のどのあたりが体のどの部分かの見当がつきます。最初にこの当たりをつけてから本番の作業に入ると、塗り直しの回数が減ります。

編集の基本手順


対象のテクスチャを特定する

色を変えたいパーツのマテリアルを見て、どの画像ファイルが使われているかを確認します。似た名前のファイルが並ぶので、思い込みで選ばないようにします。


元ファイルを複製する

編集用の複製を作り、元は触らずに残します。名前に用途を書いておくと後で判別しやすくなります。


レイヤーを分けて塗る

元の絵の上に新しいレイヤーを重ねて塗ります。直接塗り潰すと、失敗したときに戻せません。


書き出して差し替える

元と同じ形式で書き出し、マテリアルが参照する画像を差し替えます。ここで初めて見た目が変わります。


動かして継ぎ目を確認する

展開の境目に塗り残しが出やすい場所があります。腕や脇を動かして、継ぎ目が目立たないか見ます。


触ってよい場所と、避けたほうがよい場所

色や柄が描かれている画像は、比較的自由に触れます。一方で、凹凸を表現するための画像や、光り方を制御するための画像は、色の意味が普通の絵とは違います。ここを見た目の感覚で塗ると、表示が壊れます。

どのファイルが何の役割かの見分け方と、解像度や保存形式の扱いはテクスチャ編集の基本を扱った記事で詳しく説明しています。

方法3:シェーダーの色機能を使う

使っているシェーダーによっては、色を扱う機能があらかじめ用意されています。使える環境なら、テクスチャ編集の手間をかけずに近い結果が得られます。

シェーダーが持っている色の機能

よくあるのは、色の系統を回転させて全体の色味を変える機能や、特定の範囲を選んで別の色に置き換える機能です。設定値を動かすだけなので、結果を見ながら調整できます。

この方法の利点は、元の画像に描かれた陰影や質感が保たれることです。単色で塗り潰すのと違い、髪のつやや布の質感を残したまま色だけを移せます。

気をつけたいのは、色を選んで置き換える機能では、似た色が使われている別の場所まで一緒に変わることです。髪と瞳に近い色が使われていれば、両方が動きます。設定を動かしたら、対象以外の場所が変わっていないかを毎回見ておきましょう。

使えるかどうかはシェーダー次第

すべてのシェーダーが同じ機能を持っているわけではありません。設定項目の並びも、機能の呼び方も流派ごとに違います。まずは自分のアバターがどのシェーダーを前提にしているかを確認してください。

ここで安易にシェーダーを別のものへ差し替えるのは避けましょう。作者が調整した見た目が崩れ、色替え以前に全体の印象が変わってしまいます。各シェーダーの性格はシェーダー入門の記事で比べています。

注意

シェーダーの入れ替えは色替えより影響が大きい作業です。色を変えたいだけなら、シェーダーは変えずに、今あるシェーダーの機能の中で足りるかをまず確かめてください。

色が反映されないときの確認順

設定を変えたのに見た目が変わらない。この状況にはいくつか決まった原因があります。上から順に確認すると、たいてい途中で当たります。

まず「今どれを見ているか」を疑う

複数のマテリアルがある場合、別のマテリアルを編集している可能性があります。選んだパーツと、実際に色が出ている部分が一致しているかを確かめてください。

次に、共有されているマテリアルを複製したあと、複製したほうを割り当て忘れていないかを見ます。編集しているのに反映されないケースの多くは、この割り当て漏れです。

プレビューと実機で見え方が違う場合

制作環境の中では変わっているのに、書き出したあとで元に戻って見える場合は、書き出し前の状態が保存されていないか、別のファイルを参照しているかのどちらかです。書き出しをやり直す前に、参照先のファイル名を確認しましょう。

また、明るさの違いで色が違って見えることもあります。制作環境の照明とサービス内のワールドの照明は別物です。判断は必ず、実際に使う場所での見え方で行ってください。

確認するワールドは、明るい場所と暗い場所の両方を用意しておくと安心です。明るい場所だけで決めた色は、暗い場所で沈んで見えることがあります。逆に暗い場所を基準にすると、明るい場所で色が飛んで見えます。両方で見て、間を取る形が扱いやすくなります。

ピンク一色になっているとき

色替えの途中でパーツがピンク一色になった場合、それは色の問題ではありません。必要なシェーダーが環境に入っていないときに出る症状です。色の設定をいくらいじっても直らないので、シェーダーの導入から確認してください。

戻せる状態を保ちながら進める

色替えは何度もやり直す作業です。戻せる仕組みを最初に作っておくと、思い切って試せるようになります。

作業単位でフォルダを複製する

プロジェクトのフォルダを、作業に入る前に丸ごと複製しておきます。名前に「髪色を変える前」のように内容を書いておけば、数か月後の自分にも意味が通じます。

複製は容量を食いますが、失った時間より安く済みます。運用の具体的なやり方はバックアップとバージョン管理の記事にまとめました。

変えた場所を1行で記録する

どのパーツの、どのマテリアルを、どう変えたか。この3点を1行ずつ残しておくと、あとから微調整したくなったときに探す時間がなくなります。凝ったメモは要りません。

色の指定値もあわせて控えておくと、別の衣装に同じ色を使いたくなったときにそのまま流用できます。改変全体の進め方は改変の全体像をまとめたガイドで確認できます。

初心者さん

試すたびに複製していたら、フォルダだらけになりませんか。


編集部

なるので、区切りがついたら古いものを消していきます。残すのは「戻る価値のある状態」だけで十分です。全部残そうとしないのがコツです。

よくある質問

元のアバターの規約次第です。改変したデータをそのまま配布することは、多くの場合認められていません。色を変えたテクスチャだけを差分として配る形なら認めているところもありますが、これも規約に明記されているかを確認する必要があります。使っている衣装やアクセサリーにも別の規約があるので、組み合わせたものを配る場合はすべてを確認してください。


髪とまつげが同じマテリアルを共有していることが原因です。マテリアルを複製し、髪のパーツにだけ複製したほうを割り当ててから色を変えれば分けられます。パーツ自体が一体になっていて分けられない場合は、テクスチャを編集して該当部分だけ塗る方法に切り替えることになります。


レイヤーが使えて、元と同じ形式で書き出せるものなら何でも進められます。無料のものでも十分です。選ぶ基準は機能の多さより、透明部分を正しく扱えるかどうかです。透明の扱いに対応していないソフトで保存すると、透けるはずの部分が塗り潰されて表示が崩れます。書き出したあとに一度確認しておきましょう。

まとめ

  • 色は「テクスチャ画像」と「マテリアル設定」の掛け合わせで決まる
  • まずマテリアルの色設定で試し、足りなければ他の方法へ移る
  • 部分ごとに塗り分けたいならテクスチャ編集、質感を残したいならシェーダー機能
  • マテリアルは共有されていることがある。複製してから割り当てる
  • 反映されないときは、割り当て漏れと参照先のファイル名をまず疑う
  • 作業前にフォルダを複製し、変えた場所を1行ずつ記録しておく

塗り分けまで踏み込みたくなったらテクスチャ編集の基本を扱った記事へ進んでください。どのファイルを触ってよいかの見分けがつくと、色替えの自由度が一段上がります。

※設定項目の名称や配置は、使っているシェーダーや環境の更新で変わります。実際の画面で該当する項目を探してください。

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