アバター用語辞典|ポリゴン・ボーン・シェイプキー・シェーダーを図解で理解
販売ページの仕様表が読めるようになると、アバター選びの精度が一段上がります。そこに並ぶ言葉は数が多く見えますが、実際には「形」「動き」「見た目」「負荷」の4系統に整理できます。系統ごとに覚えると、初めて見る用語も位置づけが分かります。
この記事は、その4系統に沿って主要な用語を並べたものです。定義だけでなく、実物のどこを指しているのか、なぜ仕様表に載っているのかまで書きました。
上から順に読む必要はありません。仕様表で分からない言葉に出会ったときに、該当する見出しから開いてください。最後に一覧表を置いてあるので、あとから見返すときはそこが入口になります。
用語は4つの系統に分けて覚える
用語をばらばらに暗記しようとすると、数の多さに押されます。先に分類を持っておくと、覚える負担が減ります。
形・動き・見た目・負荷の4系統
形にあたるのがメッシュとポリゴン。動きにあたるのがボーン、リギング、ウェイト、シェイプキー。見た目にあたるのがマテリアル、テクスチャ、UV、シェーダー。負荷にあたるのがドローコールと、その総合的な指標です。
この4つは独立していません。形が細かければ負荷が上がり、見た目の設定が増えても負荷が上がります。仕様表の数字は、この関係のどこかを切り取ったものだと考えてください。
用語は「作業のどこで出てくるか」とセットで覚える
言葉の定義だけを覚えても、使う場面が分からないと定着しません。色を変えたいときに触るのはマテリアル、体型を変えたいときに触るのはシェイプキー、というように、作業と結びつけて覚えると忘れにくくなります。
用語を知る目的は、正しく話すことではありません。詰まったときに「どの部品の問題か」を切り分けられるようになることです。原因の場所さえ分かれば、調べる言葉が決まり、答えにたどり着く速さが変わります。
メッシュとポリゴン:形をつくる部分
3Dモデルの外形は、細かい多角形を敷き詰めることで作られています。この面の集まりがメッシュ、面の一枚一枚がポリゴンです。
ポリゴン数が示しているもの
ポリゴン数は、形をどれだけ細かく刻んでいるかの指標です。数が多いほどなめらかな曲線を作れますが、処理する量も増えます。仕様表に載っているのは、形の細かさと負荷の両方を示せるからです。
ただし、この数字だけで重さは決まりません。同じポリゴン数でも、テクスチャの量やマテリアルの数が違えば体感はまるで変わります。数字の読み方はポリゴン数の目安と数字だけで判断してはいけない理由で詳しく扱っています。
頂点・辺・面の関係
ポリゴンは、頂点と、頂点を結ぶ辺でできています。ツールによってはポリゴン数ではなく頂点数で表示されることがあり、同じモデルでも表示される数が違って見えることがあります。
数え方の違いなので、別のツールの数字と直接比べるのは避けてください。比べるなら同じツールの同じ表示で見ます。
トポロジーという言葉
面の並び方や流れのことをトポロジーと呼びます。同じ形でも、面の流れが整っているかどうかで変形したときの崩れ方が変わります。
整ったトポロジーのモデルは、体型を調整しても破綻しにくく、改変にも向きます。数字には出にくい品質の差がここにあります。
ボーン・リギング・ウェイト:動きをつくる部分
メッシュだけでは形はあっても動きません。動かすための仕組みが、この系統の用語です。
ボーンは中に入っている骨組み
モデルの内部に仕込まれた、動きの支点です。人体の骨格に対応する位置に入っているほか、髪、スカート、しっぽなど、揺らしたい部分にも追加で入っています。
ボーンの数が多いと表現は豊かになりますが、そのぶん計算量が増えます。揺れものが多いモデルが重くなりがちなのは、この理由です。
リギングは骨組みを組み込む作業
メッシュにボーンを入れ、動かせる状態にする工程をリギングと呼びます。既製のアバターを買う場合、この作業は済んでいます。
自分でモデルを作る、あるいは大きく改造する段階になると、この工程に触れることになります。逆に言えば、買って使うだけなら言葉を知っていれば足ります。
ウェイトは「どの骨がどこを引っ張るか」の配分
骨が動いたとき、周囲のメッシュがどれだけ追従するかの割合をウェイトと呼びます。この配分がうまく設定されていると、関節を曲げても不自然に潰れません。
肘や膝を曲げたときに変な折れ方をする、衣装が体に食い込む。こうした症状の原因が、ウェイトの設定であることは少なくありません。
揺れものとコライダー
髪やスカートが動きに合わせて揺れる表現を、まとめて揺れものと呼びます。追加のボーンに揺れる設定を与えることで実現されています。
揺れる部分が体をすり抜けないよう、当たり判定を置くことがあります。これがコライダーです。腕が髪をかき分ける、スカートが脚に沿う、といった挙動はここで作られています。
揺れものとコライダーは表現として効果が大きい反面、計算量も増えます。軽さを気にする場面では、見直しの対象になりやすい部分です。
シェイプキー:形を段階的に変える仕組み
ブレンドシェイプとも呼ばれます。あらかじめ用意された変形を、割合で適用できる仕組みです。
表情はシェイプキーで作られている
笑う、驚く、まばたきする。こうした表情の多くは、シェイプキーによる変形で作られています。「この形になる」という完成形が登録されていて、それを何割適用するかで表情の強さが決まります。
複数のシェイプキーを同時に使えば、組み合わせによる表情も作れます。販売ページに表情の数が書かれているのは、この登録数を指していることが多いです。
体型の調整にも使われる
身長、体格、顔の各部位など、体型の微調整用にシェイプキーが用意されているモデルもあります。数値を動かすだけで調整できるため、改変の入口としては扱いやすい部分です。
ただし、動かしすぎると衣装との相性が崩れます。衣装は素体の形に合わせて作られているため、素体だけを変えると貫通やはみ出しが起きます。
体型のシェイプキーを動かしたら、どの項目をどれだけ動かしたかを記録しておきましょう。衣装を追加したときに、同じ調整を反映する必要が出てきます。
マテリアル・テクスチャ・UV・シェーダー:見た目をつくる部分
ここは4つの用語が連携しているため、関係をまとめて理解するのが近道です。
テクスチャとUVは「型紙」と「展開図」
テクスチャは、モデルの表面に貼りつける平面の画像です。肌の色、服の柄、目の描き込みなどが、この画像に含まれています。
立体に平面の画像を貼るには、どこをどう対応させるかの取り決めが必要です。これがUVで、立体を切り開いて平面に展開したときの配置にあたります。テクスチャを編集するときに見るのは、このUVの上です。
解像度と圧縮という言葉
テクスチャの細かさは解像度で表されます。解像度が高いほど寄って見たときの粗が出にくくなりますが、そのぶんメモリを使います。軽量化で最初に効くのがテクスチャだと言われるのは、この理由です。
圧縮は、画像を保持する形式の話です。形式によって、容量と画質のどちらを優先するかが変わります。全部を高解像度・低圧縮にすると、見た目の向上に見合わない負荷を抱えることになります。
シェーダーは光の当たり方のルール
同じテクスチャでも、光をどう反射させるかで印象は大きく変わります。その計算方法を決めているのがシェーダーです。アニメ調の平坦な塗りにするか、実写寄りの陰影をつけるかは、ここで決まります。
種類ごとに得意分野と操作感が違います。選び分けの考え方はシェーダー入門の記事にまとめました。
マテリアルは設定の束
どのテクスチャを使い、どのシェーダーで塗り、どんな色味にするか。この設定をひとまとめにした単位がマテリアルです。肌、髪、上着、靴といった部分ごとに割り当てられます。
分け方が細かいほど、部分ごとに色や質感を変えやすくなります。一方で、分けるほど描画の回数が増えて負荷が上がります。改変の自由度と軽さは、ここで綱引きになります。
ドローコールとPerformance Rank:負荷をあらわす部分
最後が負荷の系統です。ここは自分だけでなく、周囲の人の画面にも関わります。
ドローコールは「描いて」と命令する回数
画面に何かを表示するとき、システムは描画の指示を出します。この指示の回数がドローコールです。マテリアルが多いほど、この回数は増えます。
ポリゴンをいくら減らしても、マテリアルが多いままだと軽くならないことがあります。削る場所を間違えないために、この関係は覚えておく価値があります。
Performance Rankは複数項目の総合判定
アバターの表示負荷を段階で示す指標です。総合点ではなく、項目ごとの引っかかりで決まる仕組みになっているのが特徴です。
つまり、全体をまんべんなく削るより、飛び抜けている項目を1つ見つけて直すほうが効きます。どの項目が足を引っ張っているかを特定する方法はPerformance Rankの読み方の記事にあります。
基準の値は端末とサービスによって変わります。公式のドキュメントで、自分が使う環境の一覧を確認しましょう。
フォールバックという言葉
負荷が大きいと判断されたアバターは、相手の画面で簡略化された姿に置き換わることがあります。この代替表示をフォールバックと呼びます。
置き換わると、こだわって選んだ姿が相手に届きません。軽さを気にするのは自己満足ではなく、見せるための条件でもあるということです。
設定によっては、代替表示に使うモデルを自分で指定できる場合もあります。負荷を下げきれないときの逃げ道として覚えておくと役に立ちます。
用語を全部覚えないと改変は始められませんか。
必要ありません。色を変えたいならマテリアル、体型を変えたいならシェイプキー。やりたい作業に対応する用語だけを覚えていけば、自然に増えていきます。
用語まとめ表
仕様表を読むときに、どの用語がどの系統かをすぐ引けるようにまとめました。
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| 用語 | 系統 | ざっくり言うと | 改変で触るか |
|---|---|---|---|
| メッシュ | 形 | 立体の外形そのもの | × |
| ポリゴン | 形 | 外形を作る面の一枚 | × |
| トポロジー | 形 | 面の並び方・流れ | × |
| ボーン | 動き | 中に入った骨組み | ◯ |
| リギング | 動き | 骨組みを組み込む作業 | × |
| ウェイト | 動き | 骨がメッシュを引く配分 | ◯ |
| シェイプキー | 動き | 登録済みの変形を割合で適用 | ◎ |
| テクスチャ | 見た目 | 表面に貼る平面の画像 | ◎ |
| UV | 見た目 | 立体を平面に展開した配置 | ◯ |
| シェーダー | 見た目 | 光の当たり方のルール | ◎ |
| マテリアル | 見た目 | テクスチャと設定の束 | ◎ |
| ドローコール | 負荷 | 描画を指示する回数 | ◯ |
※「改変で触るか」は、はじめて改変する段階での目安です。
※仕様表の項目名や数え方は配布元やツールによって異なります。比べるときは同じ条件で見てください。
よくある質問
そうとは限りません。少ない面数でも、テクスチャの描き込みとシェーダーの設定で見栄えは成立します。逆に、面数が多くてもマテリアルが整理されていれば扱いやすいこともあります。数字は判断材料の一つで、単独で質を決めるものではありません。使う環境の条件と照らして見てください。
近い意味で使われますが、厳密には違います。シェイプキーは登録された変形の単位で、表情はそれを組み合わせて作られます。したがって、シェイプキーの数がそのまま出せる表情の数になるとは限りません。販売ページで表情の数を見るときは、実際に選べるプリセットの数なのか、素材としてのシェイプキーの数なのかを確認しましょう。
軽さの面では減らすほど有利です。ただし、減らすと部分ごとに色や質感を変える自由度が失われます。改変を続けたい部分は分けたまま残し、まとめても困らない部分だけを統合する、という判断が現実的です。目的から逆算して決めてください。
まとめ
- 用語は「形・動き・見た目・負荷」の4系統に分けると覚えやすい
- 形はメッシュとポリゴン。数字だけで重さは決まらない
- 動きはボーン、ウェイト、シェイプキー。表情も体型調整もこの系統
- 見た目はテクスチャ、UV、シェーダー、マテリアルの4つが連携している
- 負荷はドローコールと総合指標。項目ごとの引っかかりで評価される
用語の背景にある仕組みをもう少しやさしく知りたい人は3Dモデルの中身をやさしく解説した記事へ進むと、部品の関係が絵として頭に入ります。