ポリゴン数の目安と、数字だけで判断してはいけない理由
ポリゴン数は、販売ページで最も目につきやすい数字です。分かりやすいので基準にしたくなりますが、この数字だけでアバターの重さは決まりません。
ポリゴン数は実際のところ何を表しているのか。なぜ同じ数でも重さが変わるのか。この2つが分かると、販売ページの数字に振り回されずに候補を比べられます。
結論を先に言うと、ポリゴン数は「一緒に見る項目がある指標」です。単独では判断材料になりません。
ポリゴン数が意味しているもの
3Dモデルの表面は、細かい面をつなぎ合わせて形が作られています。この面のことをポリゴンと呼び、その数がポリゴン数です。三角形の面の数で数えるのが一般的で、販売ページでもその表記が多く使われています。
数が多いほど滑らかになる
面の数が多いほど、曲面はなめらかに表現できます。丸みのある頬、指の関節、髪の束のねじれ。細かい形を作ろうとすると、その分だけ面が必要になります。
逆に少なければ、輪郭がかくかくして見えます。特に目立つのは、シルエットとして外側に出る部分です。腕や脚の断面、顔の輪郭、髪の外周などがそれにあたります。
処理する側から見ると何が起きているか
面が増えると、描画のたびに計算する量が増えます。ただし、増えるのはあくまで「形を扱う」側の負荷です。表面の色や光の当たり方を決める処理は別の系統で動いています。
ここが、ポリゴン数だけで重さを判断できない理由の入口です。重さは複数の系統に分かれていて、ポリゴンはそのうちの1つでしかありません。
ポリゴン数は「形の細かさ」を表す指標です。表面の質感や光の処理とは別枠で動いています。重さを見るなら、両方を合わせて見る必要があります。
同じポリゴン数でも重さが違う理由
ポリゴン数がほぼ同じ2体を並べたときに、片方だけが明らかに重い。こういうことは実際に起きます。差が出ているのは、たいてい次の3か所です。
マテリアルの数
マテリアルは、表面の設定をまとめた単位です。「この部分は肌の設定」「ここは髪の設定」というように、モデルの各部分に割り当てられています。
このマテリアルが分かれているほど、描画の指示が細かく分割されます。指示の回数が増えると、その分だけ処理の手間がかかります。ポリゴン数が控えめでも、マテリアルが細かく分かれていれば負荷は上がります。
ただし、マテリアルが分かれていることには改変上の利点もあります。髪だけ色を変える、といった操作がしやすくなるためです。ここは重さと使い勝手のトレードオフになります。
テクスチャの解像度と枚数
テクスチャは、モデルの表面に貼る画像です。解像度が高いほどきれいに見えますが、その分メモリを使います。枚数が多い場合も同様です。
実際のところ、体感的な重さにいちばん効きやすいのはこの部分です。ポリゴンを削る前にテクスチャを見直したほうが効果が大きい、という場面は珍しくありません。
揺れものと骨組みの量
髪やスカートを揺らす設定は、毎フレーム計算が走ります。揺れる箇所が多いほど負荷は増えます。ボーン(骨組み)の本数も同じで、細かく入っているほど扱う量が増えます。
見た目の華やかさに直結する部分なので、単純に減らせばよいものではありません。要所に絞られているかどうかを見るのが現実的です。
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| 要素 | 効いてくる場所 | 見た目への影響 | 削りやすさ |
|---|---|---|---|
| ポリゴン数 | 形の処理 | シルエットに出る | ◯ |
| マテリアル数 | 描画の指示回数 | ほぼ出ない | ◎ |
| テクスチャ | メモリと転送 | 近づくと出る | ◎ |
| 揺れもの | 毎フレームの計算 | 動きに出る | ◯ |
※影響の度合いは環境と構成で変わります。
面の使われ方にも差がある
同じ数の面でも、どこに配分されているかで印象が変わります。丁寧に作られたモデルは、目や指のように動きが出る場所に面を多く割き、見えにくい場所は控えめにしています。
逆に、全身に均等に面が配られているモデルは、数のわりに輪郭が滑らかに見えないことがあります。数字が大きいから精密、とは限らないということです。
また、衣装の下に隠れている素体の部分がそのまま残っている場合もあります。表からは見えないのに面としては数えられているので、数字だけが膨らみます。パーツごとに分かれた構成なら、こうした部分は外して軽くできます。
端末が変われば基準も変わる
「ポリゴン数はこのくらいまで」という話をよく見かけますが、その数字がどの環境の話なのかを確認しないと意味がありません。PC向けとモバイル向けでは、前提がまるで違います。
数字は必ず環境とセットで読む
スタンドアロン型のヘッドセットやスマホは、処理能力とメモリがPCより限られます。そのため、扱える上限も低く設定されています。同じアバターでも、PCでは問題なくても、モバイル環境では制限に引っかかることがあります。
具体的な上限値は端末とサービスによって変わり、仕様の更新でも動きます。記事や動画で見かけた数字をそのまま基準にせず、自分が使う環境の公式ドキュメントで制限一覧を確認しましょう。
周りの人の環境も影響する
忘れられがちですが、自分のアバターを表示するのは相手の端末です。自分のPCが高性能でも、相手がモバイルなら、重いアバターは非表示にされることがあります。
人が多い場所へよく行くなら、この点は無視できません。モバイル環境での見え方についてはQuestやスマホで使う場合の選び方の記事で詳しく扱っています。
削る順番を知っておくと判断が変わる
買ったあとに軽くする前提なら、どこから手を付けるかを知っておくと選び方も変わります。一般的に効果が出やすい順番は、テクスチャの見直し、マテリアルの整理、使わないパーツの除去、そして最後にポリゴンの削減です。
ポリゴン削減が最後に来るのは、作業の負担が大きく、失敗するとシルエットが崩れるためです。前の3つで足りるなら、そこで止めたほうが見た目は保てます。
つまり、ポリゴン数がやや多いアバターでも、テクスチャとマテリアルに整理の余地があれば十分に扱えます。数字の大きさだけで候補から外すのは、もったいない判断になりかねません。
販売ページの数字をどう読むか
ここまでを踏まえて、実際に販売ページを見るときの手順に落とし込みます。見る順番を決めておくと、判断が速くなります。
数字は「単独では加点も減点もしない」
ポリゴン数が書いてあったら、まずマテリアル数とテクスチャの情報を探します。3つが揃って初めて、重さの見当がつきます。ポリゴン数しか書かれていない場合は、それ以上のことは分からないと考えましょう。
作者によっては、サービス側の評価指標での結果を載せていることがあります。この表記があれば、個々の数字より信頼できる目安になります。指標の読み方はPerformance Rankの読み方の記事で解説しています。
削れる余地があるかを見る
パーツが分かれているか確認する
使わない装飾を外せる構成なら、あとから軽くできます。
モバイル向けの版があるか見る
同梱されていれば、自分で作り直す手間が省けます。
テクスチャの構成を確認する
枚数がまとめられているかどうかで、削る作業量が変わります。
改変の情報が出回っているか調べる
同じアバターを軽量化した事例があれば、進め方の参考になります。
数字が書かれていないとき
仕様が書かれていない商品もあります。この場合、購入前に確実な判断はできません。作者に質問するか、実際に使っている人の情報を探すことになります。
用語そのものが分かりにくいと感じたら、アバター用語辞典で仕組みから確認しておくと、仕様欄が読めるようになります。
「ポリゴン数が少ない=軽い」と決めつけて選ぶのは避けましょう。テクスチャが大量なら、ポリゴンが少なくても重くなります。逆に、ポリゴンが多くても構成が整理されていれば扱いやすいことがあります。
数字の話に振り回されないために
ポリゴン数の議論は、コミュニティの中でもよく話題になります。ただ、話している人の環境と、自分の環境が同じとは限りません。前提がずれた数字を持ち込むと、判断を誤ります。
会話に出てくる数字の前提を確認する
誰かが「この数字なら大丈夫」と言っていたら、それがどのサービスの、どの端末での話なのかを確かめましょう。前提が分かれば、自分に当てはめられるかどうかも判断できます。
前提が示されないまま流れてくる数字は、参考程度にとどめるのが安全です。最終的な基準は、自分が使う環境の公式ドキュメントにあります。
友達に「そのアバターは重いよ」と言われたのですが、ポリゴン数は普通くらいです。
その場合、テクスチャの枚数か揺れものの設定が効いていることが多いです。ポリゴン以外の項目も一度確認してみましょう。原因が分かれば、削る場所も決まります。
比べるなら同じ土俵で
候補どうしを比べるときは、同じサービス・同じ端末向けの商品で揃えてください。PC向けとモバイル向けを混ぜて数字を並べても、意味のある比較にはなりません。
そのうえで、ポリゴン数、マテリアル数、テクスチャの構成を横に並べます。3つ揃えば、どれが軽い構成なのかはかなりはっきり見えてきます。
よくある質問
一律の目安を示すことはできません。上限は端末とサービスによって変わり、仕様の更新でも動くためです。自分が使う環境の公式ドキュメントにある制限一覧を確認し、その値を基準にしてください。そのうえで、同じ環境向けのアバターどうしを比べると、相対的な位置づけが見えてきます。
できる場合が多いです。ただし、削る作業には手順と判断が必要で、やりすぎるとシルエットが崩れます。効果の順番としては、テクスチャの見直し、マテリアルの整理、使わないパーツの除去、そのあとにポリゴン削減、という流れが一般的です。改変に慣れていない段階では、最初から軽いものを選ぶほうが確実です。
購入前に確定的な判断はできません。作者への質問、実際に使っている人の投稿、同じアバターの改変事例などを探すことになります。それでも情報が得られないなら、仕様が明記されている別の候補を優先するほうがリスクは小さくなります。
まとめ
- ポリゴン数は「形の細かさ」の指標で、重さの一部でしかない
- マテリアル数・テクスチャ・揺れものを合わせて見ると実像がつかめる
- 上限は端末とサービスで変わる。公式ドキュメントで自分の環境の値を確認する
- 自分のアバターを描画するのは相手の端末でもある
- 数字が書かれていない商品は、判断材料がないものとして扱う
重さの正体をもう少し細かく知りたいときはPerformance Rankの読み方へ、用語の整理から入りたいときはアバター用語辞典へ進むとつながります。
※制限値や評価の仕組みはサービス側の更新で変わります。実際の基準は公式ドキュメントを確認してください。