アバターの選び方

表情の数とシェイプキー|買う前に確認する方法

目次

アバターを使い始めて最初に物足りなくなるのは、たいてい表情です。顔が動かないアバターは、写真では映えても、人と長く話す場面では表現が足りなくなります。そして表情の量は、買ったあとから増やすのがいちばん面倒な要素でもあります。

では、買う前にどこまで分かるのでしょうか。手元で動かせない以上、判断材料は販売ページに載っている情報だけです。それでも、読む場所さえ決まっていれば見当はかなりつきます。

先に結論を言うと、見るのは「表情の一覧が公開されているか」と「シェイプキーの情報があるか」の2点です。この2つがそろっている商品は、まず外しません。

表情の満足度は「数」ではなく「出しやすさ」で決まる

販売ページに「表情◯種類」と書かれていると、多いほど良さそうに見えます。ただ実際に使ってみると、日常的に出しているのは数種類に落ち着きます。多くの人が使うのは、笑顔、驚き、困り顔、そして目を閉じた顔くらいです。

ここで効いてくるのは総数ではなく、よく使う表情にすぐ手が届くかどうかです。メニューの奥深くに埋もれていると、会話のテンポでは出せません。数だけを比べても、満足度の予測にはなりにくいということです。

顔が動かないと会話が単調になる

声だけで話していても、相手はこちらの顔を見ています。うなずきや笑顔が返ってくるかどうかで、会話の手応えはかなり変わります。逆に、表情が固定されたままだと、話が弾んでいても伝わりにくくなります。

この点は、撮影が主目的の人と、雑談が主目的の人で優先順位が分かれるところです。撮影中心なら、決めの表情が数種類あれば足ります。人と話す時間が長いなら、細かい変化を作れるほうが効いてきます。

「使える表情」の数え方

候補を比べるときは、総数ではなく「自分が毎日使いそうな表情がいくつあるか」で数えてみてください。笑顔が3段階に分かれているアバターと、まったく系統の違う表情が10種類あるアバターでは、後者のほうが数字は大きくても、実際の使い勝手は前者が上のこともあります。

もう一つの見方は、「その表情で写真を撮りたくなるか」です。使い道が思い浮かばない表情は、結局メニューの奥で眠ります。一覧画像を眺めながら、自分が使う場面を想像してみると、必要な数の見当がつきます。

初心者さん

表情の数が多いほうが得だと思っていました。


編集部

損はしません。ただ、多さだけで選ぶと「系統がそろっていない」ことに気づきにくいんです。笑顔のバリエーションだけ豊富で、困り顔が1つもない、という構成も実際にあります。

ここがポイント

比べるのは表情の総数ではなく、「よく使う数種類が用意されているか」と「すぐ出せる位置にあるか」です。この2点で見ると、候補の差がはっきりします。

表情はシェイプキーで作られている

判断の精度を上げるために、仕組みを一度だけ押さえておきましょう。ここを理解すると、販売ページの書き方の意味が読めるようになります。

シェイプキーとは何か

3Dアバターの表情は、多くがシェイプキー(ブレンドシェイプとも呼ばれます)という仕組みで作られています。これは「元の顔の形から、この形へ変形する」という差分を、あらかじめモデルの中に仕込んでおくものです。口角を上げる、目を細める、眉を下げる。こうした変形が部品として登録されています。

実際の表情は、この部品を組み合わせて作られます。笑顔なら「口角を上げる」と「目を細める」を同時に効かせる、という具合です。だから、部品がいくつ用意されているかが、出せる顔の幅を決めます。用語のより詳しい説明はアバター用語辞典の記事にまとめています。

まばたきと口パクは別枠で考える

まばたきと、話すときの口の動きは、表情メニューとは別の仕組みで動いています。自動で処理されるため、意識しなくても動きます。ただし、これらが正しく設定されていないアバターは、目が開きっぱなしになったり、口が動かなかったりします。

販売ページに「まばたき対応」「リップシンク対応」といった記載があるかは、見ておく価値があります。書かれていないから非対応とは限りませんが、書いてあれば確実です。

だから「あとから足す」のが重い

用意されていない変形をあとから足すには、モデルそのものを編集する必要があります。3Dモデリングの作業になるため、色を変えたり服を着せ替えたりするのとは難易度が違います。表情は、買う時点でどこまで入っているかを見ておくべき要素だと言えます。

ここが、表情がほかの要素と性格を分けている理由です。色は塗り直せます。服は着せ替えられます。しかし顔の変形は、モデルの内側に埋め込まれた情報なので、外から足すことができません。改変で挽回しにくい要素だからこそ、選ぶ段階の比重が大きくなります。

髪や耳が動く商品もある

表情に合わせて、耳が伏せる、髪が跳ねる、といった動きが用意されていることがあります。これも仕組みとしては同じシェイプキーです。顔以外の部分にも変形が仕込まれている商品は、それだけ作り込まれていると考えてよいでしょう。

販売ページの表情一覧に、顔のアップだけでなく上半身の写真が混ざっている場合、こうした連動が入っている可能性があります。細かい点ですが、実際に使うと印象がかなり変わります。

販売ページで見る4つの記載

実際に確認する箇所を挙げます。上から順に、判断材料としての価値が高い順です。

表情の一覧画像があるか

顔のアップが並んだ一覧画像が用意されていれば、それがいちばん確実な情報です。数だけでなく、どういう系統の表情なのかも一目で分かります。一覧を作るのは手間がかかるので、掲載されていること自体が、作者が表情に力を入れているサインでもあります。

シェイプキーの一覧が公開されているか

技術的な情報として、シェイプキーの名前が一覧で載っていることがあります。読者からすると呪文のように見えますが、数と種類の目安になります。まぶた、口、眉のそれぞれに複数の項目が並んでいれば、細かい調整ができる作りです。

メニュー構成が分かる画像

アプリ内のメニューがどう並んでいるかのスクリーンショットは、使い勝手を判断する材料になります。表情がすぐ選べる位置にあるか、階層が深すぎないかが見えます。

動画があるか

表情が実際に動いている動画があれば、静止画では分からないことが分かります。変化の滑らかさ、切り替えたときの自然さ、口を動かしたときの顔の崩れ方。買う前に見られるなら見ておきましょう。

とくに見てほしいのは、横顔と斜めからの角度です。正面の静止画では整っていても、角度がつくと口の形が破綻することがあります。動画の中でカメラが回り込む場面があれば、そこを一時停止して確かめてみてください。

販売ページの外にある手がかり

ページに載っている情報は、作者が見せたい形に整えられたものです。それとは別に、外から拾える材料もあります。

「利用者の投稿」がいちばん正直

作者の作例は、そのアバターがいちばん良く見える条件で用意されています。対して、実際に使っている人の投稿は普段の見え方に近くなります。商品名で検索して、他人が撮った表情の写真を数枚見ておくと、印象のずれが減ります。

同じアバターを使っている人が多いほど、この情報は集めやすくなります。表情を重視するなら、利用者の多さそのものが判断材料になるということです。

プリセットとカスタム、どちらが向いているか

表情の提供のされ方には、大きく2つの形があります。どちらが良いという話ではなく、性格が違います。

プリセット型は迷わない

作者が組み合わせを決めて、メニューから選ぶだけで完成した表情が出る形です。買ってすぐ使えて、破綻しません。表情の作り込みに時間をかけたくない人には向いています。

一方で、用意された範囲から出られません。「もう少し控えめな笑顔がほしい」と思っても、中間の調整はできないことが多くなります。

カスタム型は自由だが手間がかかる

シェイプキーを自分で組み合わせて、メニューに登録していく形です。自分だけの表情が作れます。ただし、組み合わせ方によっては顔が崩れるので、試行錯誤が必要です。

実際には、プリセットが一通り入っていて、あとから自分で追加もできる、という商品が多くなっています。組み方は表情メニューの作り方の記事で扱っています。

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項目プリセット中心カスタム前提備考
買ってすぐ使えるか◎◯カスタムは設定が要る
自分好みに寄せられるか×◎中間の調整ができる
顔が崩れにくいか◎◯組み合わせ次第
必要な知識◯×改変の前提知識が要る

※商品によっては両方の性格を備えています。

フェイストラッキング対応の見方

顔の動きを読み取って、そのままアバターに反映させる仕組みがあります。使うつもりがあるなら、選ぶ段階で見ておく必要があります。

アバター側に条件がある

この仕組みは、細かい単位の変形を大量に使います。目線、まぶたの開き具合、舌、頬。メニューから選ぶ表情よりずっと細かい部品が必要です。そのため、対応していないアバターでは動きません。

「表情が多い」と「フェイストラッキングに対応している」は、別の話です。前者が満たされていても後者が満たされるとは限りません。販売ページで対応の記載を探しましょう。

対応の書かれ方

対応をうたう商品では、専用の項目として記載されていることがほとんどです。記載がなければ、対応していないと考えて差し支えありません。あとから対応させることもできますが、シェイプキーを追加する作業になるため負担は大きくなります。

また、対応にも段階があります。目線と口だけが動くもの、まぶたの開き具合まで細かく追えるもの、舌や頬まで含むもの。どこまで対応しているかで、実際の表現力は変わります。記載を読むときは、対応の有無だけでなく範囲まで見ておきましょう。

仕組みそのものや導入の流れはフェイストラッキングの導入手順の記事で説明しています。機材も必要になるので、興味がある段階で先に読んでおくと、アバター選びの判断が変わることがあります。

足りないと感じたときの選択肢

買ったあとで表情が足りないと感じた場合、打てる手は3つあります。負担の軽い順に見ていきましょう。


メニューを組み替える

すでに入っている表情のうち、使うものを手前に、使わないものを奥に移します。データを触らずに使い勝手が上がるので、最初に試す価値があります。


既存のシェイプキーを組み直す

用意されている部品の組み合わせを変えて、新しい表情を作ります。モデルの編集は不要で、設定の範囲で完結します。


対応の追加パーツを探す

人気のあるアバターには、表情を拡張するデータが出ていることがあります。自分で作るより確実で早い選択肢です。


シェイプキーを自分で追加する

モデルそのものを編集します。効果は大きいですが、3Dモデリングの知識が要ります。最後の手段と考えましょう。


注意

表情を追加する作業は、モデルの構造に手を入れます。作業前に必ずデータの複製を取ってください。衣装や既存のギミックが影響を受けることがあります。

よくある質問

数で決めるより、内訳で見るほうが確実です。喜び系、驚き系、困り系、目を閉じた状態。この4系統がそろっていれば、日常の会話ではまず困りません。加えて、笑顔に強弱の段階があると表現の幅が広がります。総数が多くても系統が偏っていると、使う場面が限られます。


記載がない場合は、最低限のものだけと考えて判断しましょう。まばたきと口の動きは入っていても、選んで出す表情は少ない、という構成はあり得ます。作者に質問できる窓口があるなら、購入前に聞いてみるのが確実です。返答の速さや丁寧さも、そのまま判断材料になります。


使う予定が具体的にあるなら、対応品から選ぶほうが確実です。あとから対応させる作業は、表情を1つ足すのとは規模が違います。ただし、対応のためだけに好みでないアバターを選ぶのは本末転倒です。機材の導入まで距離があるなら、まず気に入った1体で遊んで、必要になった時点で2体目を検討する形でも遅くありません。

まとめ

  • 表情は総数ではなく、よく使う系統がそろっているかで見る
  • 仕組みはシェイプキー。用意されていない変形を足すのは重い作業になる
  • 販売ページでは、表情の一覧画像とシェイプキーの記載を優先して探す
  • プリセット型は迷わない、カスタム型は自由。実際は両方備える商品が多い
  • フェイストラッキング対応は「表情が多い」とは別の条件。記載を確認する
  • 足りないときは、メニューの組み替えから順に試すと負担が小さい

表情まで確認できたら、あとは重さと改変のしやすさを見れば、判断材料はひととおりそろいます。買ったあとに触る場所でもあるので、選ぶ段階で一度だけ丁寧に見ておくと長く効いてきます。

※対応状況や仕様は商品ごとに異なります。実際の記載は各販売ページで確認してください。

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