マテリアルがピンクになる問題|原因と直し方を最短ルートで
アバターを取り込んだら、全身がショッキングピンクの塊になっていた。改変を始めた時期によく出る症状です。そして、この症状は原因がほぼ一つに絞れます。壊れたわけではないので、落ち着いて順に確認すれば元に戻ります。
先に結論です。ピンクは「指定されたシェーダーが見つからない」という合図で、必要なシェーダーを入れて割り当て直せば、たいていは元の見た目に戻ります。
面倒なのは、入れたはずなのに直らない場合です。そのときは原因が「入っていない」から「入っているのに使われていない」へ移っているので、見る場所を変える必要があります。
ピンクは何を意味しているのか
マテリアルには「どのシェーダーで描くか」という指定が保存されています。その指定先が手元に無いと、描画の計算そのものができません。そのときに表示される代替の色が、あの鮮やかなピンクです。
あえて目立つ色が使われている
自然界にも、アニメ調のアバターにも、まず出てこない色です。見落とさないように、わざと違和感の強い色が選ばれています。つまりピンクは不具合の表示であって、色設定が飛んだわけではありません。
ここを理解しておくと、対処の方向が決まります。直すべきは色ではなく、シェーダーの有無と割り当てです。テクスチャを描き直したり、色を設定し直したりしても解決しません。
初めて見ると「取り返しのつかないことをした」と感じますが、この症状はデータの欠損を意味しません。むしろ、手元に足りないものがあることを教えてくれている状態です。慌てて設定を触り回すほうが、原因を見えにくくします。
モデル自体は壊れていない
形が正しく出ていて、色だけがピンクなら、メッシュもボーンも無事です。ポーズも取れますし、シェイプキーも生きています。表面の描き方が決まっていないだけの状態です。
逆に、形が崩れている、部位が欠けているといった症状が同時に出ているなら、それは別の問題です。その場合は改変トラブルの逆引き記事で症状から当たったほうが早く着地します。
ピンクは「シェーダーが見つからない」という表示です。色の設定でもテクスチャの問題でもありません。直す対象はシェーダーの導入と割り当てです。
原因を3手で切り分ける
ピンクの原因は限られていますが、それでも「入れ忘れ」なのか「入れたのに認識されていない」のかで対処が変わります。次の3つを順に見れば、どちらなのか判別できます。
手1:全身か、一部か
まず、ピンクになっている範囲を確認します。全身が均一にピンクなら、そのアバターが前提としているシェーダーが丸ごと入っていない可能性が高い状態です。
一部だけ、たとえば追加した衣装だけ、髪だけがピンクなら、その素材だけが別のシェーダーを要求していると考えられます。素体と衣装で前提が違うのはよくあることです。
もう一段細かく見るなら、ピンクになっている部分と、直前に自分が何を追加したかを突き合わせます。追加した素材と範囲が一致していれば、原因はその素材にあるとほぼ言い切れます。一致しないなら、別の要因が混ざっています。
手2:他のデータでも起きるか
次に、同じ作業環境に入れた別のアバターや、サンプルの表示を見ます。そちらは正常なのに、今回のものだけがピンクなら、原因は今回取り込んだデータ側にあります。
どれもピンクなら、作業環境全体でシェーダーが読めていない状態です。この場合は、取り込みそのものが失敗している可能性を疑います。
手3:取り込み時の記録を見る
ツールは、取り込みや変換で問題が起きたときに記録を残します。その一覧を開いて、赤い印のついた項目があるかを見てください。ここに何か出ていれば、シェーダーが正しく組み立てられていない可能性が高くなります。
記録は溜まっていくので、一度すべて消してから読み込み直すと、いま起きている問題だけが残ります。古い記録が混ざったまま読むと、関係のない項目に振り回されます。
記録が空で、かつ他のデータは正常。この組み合わせなら、単純にそのアバター向けのシェーダーを入れ忘れているだけ、というのがほぼ確定します。
切り分けの間は何も足さない
3手を進めている途中で、思いついた対処を並行して試すのは避けましょう。直った理由も、直らなかった理由も分からなくなります。原因が確定するまでは観察だけに徹し、確定してから1つだけ手を打つ。この進め方が結局いちばん速く終わります。
もし複数の心当たりがあるなら、影響範囲の広いものから順に潰します。全身に関わるものを先に確認し、部位ごとの話は後回しにするということです。
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| 症状の出方 | 考えられる原因 | 最初に見る場所 |
|---|---|---|
| 全身が均一にピンク | 前提シェーダーが未導入 | 同梱の説明にある必要なもの |
| 追加した衣装だけピンク | 素材が別のシェーダーを要求 | 衣装側の配布ページの説明 |
| どのデータでもピンク | 取り込みが失敗している | エラーの記録一覧 |
| 一度は直ったのに再発 | 更新や移動で参照が外れた | マテリアルの割り当て |
※複数が同時に起きている場合もあります。範囲の広いものから片付けます。
入れて直すまでの手順
切り分けができたら、あとは順番どおりです。焦って色々な操作を重ねると原因が分からなくなるので、1つずつ進めます。
必要なものを特定してから入れる
アバターや衣装には、同梱の説明ファイルや配布ページに前提が書かれています。まずそこを読み、必要なシェーダーの名前を確定させます。名前が似ているだけの別物を入れても直りません。
名前が書かれていない場合は、ピンクになっているマテリアルの設定を開いてみてください。使うはずのシェーダーの名前が、見つからない旨の表示と一緒に残っていることがあります。そこから逆に必要なものをたどれます。
必要なシェーダーの名前を確認する
同梱の説明か配布ページに記載があります。ここを飛ばすと入れ直しになります。
配布元から入手して取り込む
取り込みが終わるまで他の操作をせず、完了を待ちます。
エラーの記録が空になっているか確認する
赤い印が残っていると、この先の手順は効きません。先にそちらを解消します。
アバターを開き直して表示を見る
多くはこの時点でピンクが消えます。消えなければ次のセクションへ進みます。
残った部分だけ割り当てを直す
ピンクのままのマテリアルを開き、シェーダーの指定を選び直します。
順番を守る理由
シェーダーを入れる前にアバターを取り込むと、参照先が無い状態でマテリアルが作られます。あとからシェーダーを入れても、その参照が自動でつながらないことがあります。だから「シェーダーが先、モデルが後」なのです。
ツール全体の役割分担と導入順は改変の道具立ての記事でまとめています。何をどの順で入れるかが決まっていれば、この症状の大半は起きません。
入れたのに直らないとき
ここまでやっても消えない場合、原因は「入っていない」ではなく「入っているのに使われていない」に移ります。見る場所が変わります。
同じシェーダーが二重に入っている
入れ直しを繰り返すうちに、同じシェーダーが別の場所に重複して置かれることがあります。この状態では、どちらを使うか決まらず、正しく組み立てられません。
心当たりがあるなら、関連するフォルダを一度すべて取り除いてから、あらためて1つだけ入れ直します。作業前に複製を取っておくと、失敗しても戻せます。
見分けの目安は、同じ名前のフォルダが違う階層に並んでいないかどうかです。取り込みのたびに置き場所が変わっていると、こうなりやすくなります。取り込み先を毎回同じにしておくと、この事故は起きにくくなります。
置き場所を動かしてしまった
取り込んだあとにフォルダを移動したり、名前を変えたりすると、参照が切れることがあります。整理したくなる気持ちは分かりますが、シェーダーの置き場所は触らないのが無難です。
割り当てだけが外れている
シェーダーは入っているのに、マテリアル側の指定が空欄や別のものになっている場合があります。この場合は、該当のマテリアルを開いてシェーダーを選び直せば戻ります。数が多いときは、同じ設定のものをまとめて選んで一度に変更すると早く済みます。
まとめて変更するときは、肌・髪・服のように性格の近いものだけを一緒にしてください。全部を一度に変えると、部位ごとに違っていた設定まで揃ってしまい、かえって直す手間が増えます。
ただし、選び直すと数値設定は初期値に戻ることがあります。作者の調整が効いた見え方を保ちたいなら、割り当てを直す前に元の状態を残しておきましょう。手元の複製の作り方はバックアップの記事にまとめています。
そもそも使えない環境で見ている
モバイル向けの構成では、使えるシェーダーの範囲が限られます。PC向けの前提で作られたマテリアルをそのまま持ち込むと、対応外として扱われます。この場合は入れ直しでは解決せず、その環境で使える構成に置き換える作業になります。
見分け方は単純で、PC向けの設定では正常なのに、モバイル向けの設定に切り替えた途端に色が破綻するなら、この線が濃厚です。同じデータで挙動が変わるという点が手がかりになります。
置き換えると、表現できることは確実に減ります。輪郭線や凝った光沢は諦める前提で、シルエットと色味を優先して調整するのが現実的な落としどころです。
直らないからといって、マテリアルを新規に作り直すのは避けましょう。作者が調整した設定がすべて失われます。まずは割り当てを直す方向で試してください。
再発させないための作業の型
一度直っても、作業を続けるうちにまた出ることがあります。作業の型を決めておくと、遭遇する回数がはっきり減ります。
入れる順番を固定する
シェーダー、補助ツール、アバター本体、衣装。この順に入れる、と決めておきます。素材を追加するときも、その素材が要求するものを先に入れてから取り込みます。
更新は作業の区切りで行う
改変の途中でシェーダーを更新すると、見た目が変わったのか壊れたのか判別しづらくなります。更新は一区切りついたタイミングで行い、更新後に全身を一度確認する。この流れが安全です。
正常な状態を残しておく
ピンクが消えて見た目が整った時点で、その状態を複製して残します。以降の作業で崩れても、そこへ戻れば数分で復帰できます。戻れる地点があると、思い切って試せるようになるという副次的な効果もあります。
残すのはフォルダごとで構いません。日付ではなく「衣装を入れる前」「色を変える前」のように、作業の区切りで名前を付けておくと、あとから探しやすくなります。
環境を分けるという手もある
アバターごとに作業する場所を分けておくと、片方の不具合がもう片方に波及しません。1か所にすべてを詰め込むと、シェーダーの重複や取り違えが起きやすくなります。数が増えてきたら、分ける前提に切り替えるほうが管理が楽になります。
衣装を追加したら、その衣装だけピンクになりました。素体は普通に出ています。
素体と衣装で前提のシェーダーが違うパターンですね。衣装の配布ページに必要なものが書かれているはずなので、それを入れてから取り込み直してみてください。
よくある質問
そのままの見た目で公開されます。手元で直っていない状態は、他の人からもピンクに見えると考えてください。表示の問題なので機能は動きますが、意図した見た目にはなりません。アップロード前に、プレビューで全身の色が正しく出ているかを確認しましょう。
シェーダーの割り当てをやり直すと、マテリアルの数値設定が初期値に戻ることがあります。作者が調整していた影の濃さや光沢が失われた状態です。元の状態の複製が残っていればそこから戻せます。無い場合は、アバターを取り込み直して、改変をやり直すのが確実です。
別の原因であることが多いです。真っ黒はライトが当たっていない、あるいは影の設定が極端になっている状態、白飛びは光が強すぎる状態が疑われます。まずシェーダーの選び分けと基本設定をシェーダー入門の記事で確認し、それでも解決しなければ症状別に切り分けていきます。
まとめ
- ピンクは「シェーダーが見つからない」という表示。モデルは壊れていない
- 切り分けは3手。全身か一部か、他のデータでも起きるか、記録にエラーがあるか
- 必要なシェーダーを特定してから入れる。名前の確認を飛ばさない
- 入れても直らないなら、重複・移動・割り当て外れを疑う
- シェーダーを先、モデルを後。この順番を固定すると再発が減る
シェーダーそのものの選び分けはシェーダー入門で、ピンク以外の症状は改変トラブル逆引きで扱っています。
※画面の構成や項目の位置はツールの更新で変わります。詳細は配布元のドキュメントを確認してください。